EEPROM / Flash

EEPROM Flash

EEPROMとフラッシュメモリの違いと仕組み

EEPROMおよびフラッシュメモリは、 現代のコンピュータや組み込み機器において不可欠な不揮発性メモリです。

設定情報の保存からSSDによる大容量ストレージまで、 その用途は非常に幅広く、 内部構造や特性を理解することは重要です。

本記事では、 EEPROMとフラッシュメモリの仕組み、違い、内部構造、 さらにはNAND/NORの特性まで詳細に解説します。

EEPROMとは何か

EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)は、

電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ

です。

特徴:

  • バイト単位で書き換え可能
  • 電源を切ってもデータ保持
  • 比較的低速

主な用途:

  • 設定情報(設定値・キャリブレーションデータ)
  • マイコン内部メモリ

フラッシュメモリとは何か

フラッシュメモリは、 EEPROMを高速・大容量化した派生技術です。

特徴:

  • ブロック単位で消去
  • 高速読み出し
  • 高密度・低コスト

主な用途:

  • SSD
  • USBメモリ
  • SDカード
  • BIOS / UEFI

内部構造(フローティングゲート)

EEPROMおよびフラッシュメモリは、 フローティングゲートトランジスタ を使用します。

構造:

  • 制御ゲート(Control Gate)
  • 浮遊ゲート(Floating Gate)
  • 絶縁層

電子を浮遊ゲートに閉じ込めることで、 データを保持します。

この電荷は絶縁されているため、 電源を切っても保持されます。

書き込みと消去の原理

書き込み(プログラム)

高電圧をかけ、 電子をフローティングゲートに注入します。

これにより、 トランジスタのしきい値電圧が変化します。

消去(Erase)

逆方向に電圧をかけ、 電子を放出させます。

これにより、 元の状態に戻ります。

EEPROMとフラッシュの違い

項目EEPROMフラッシュメモリ
書き換え単位バイトブロック
速度低速高速
容量小容量大容量
用途設定保存ストレージ

NAND型とNOR型

NORフラッシュ

特徴:

  • ランダムアクセスが可能
  • コード実行に適する(XIP)
  • 低密度

用途:

  • ファームウェア
  • 組み込みシステム

NANDフラッシュ

特徴:

  • 高密度・低コスト
  • 高速書き込み
  • シーケンシャルアクセス

用途:

  • SSD
  • USBメモリ

セル構造とビット数

1セルに複数ビットを格納することで、 高密度化が進んでいます。

  • SLC(1bit)
  • MLC(2bit)
  • TLC(3bit)
  • QLC(4bit)

ビット数が増えるほど、

  • 容量増加
  • 耐久性低下
  • 速度低下

という特性があります。

書き換え寿命と耐久性

フラッシュメモリは、 書き換え回数に制限があります。

  • SLC:高耐久(数万〜10万回)
  • TLC:数千回
  • QLC:さらに低い

ウェアレベリング

寿命を延ばすために、 書き込みを均等に分散する技術です。

SSDでは必須の技術です。

ガーベジコレクション

不要データを整理し、 書き込み効率を維持する処理です。

SSDコントローラが自動で行います。

TRIMコマンド

OSからSSDへ不要ブロックを通知する仕組みです。

これにより、 書き込み性能が維持されます。

エラーとECC

フラッシュメモリは、 ビットエラーが発生しやすいです。

そのため、

ECC(誤り訂正)

が必須です。

3D NAND

セルを垂直方向に積層することで、 高密度化を実現しています。

従来の2D NANDの限界を突破する技術です。

性能特性

  • 読み出しは高速
  • 書き込みは遅い
  • 消去はさらに遅い

特に、

ランダム書き込み性能が課題

です。

まとめ

EEPROMとフラッシュメモリは、 不揮発性メモリの中核技術です。

  • EEPROM:細かい書き換えに適する
  • フラッシュ:大容量ストレージ向け
  • NAND/NORで用途が分かれる

さらに、

  • 書き換え寿命
  • ウェアレベリング
  • ECC

といった特性を理解することで、 ストレージや組み込みシステムの設計が より深く理解できるようになります。

これらの技術は、 現代のコンピュータシステムの基盤を支える重要な要素です。