基本コマンド「cat」

cat

catコマンドとは?

Linuxの「cat」コマンドは、ファイルの内容を表示したり、複数のファイルを結合して新しいファイルを作成したりするための基本的なコマンドです。「cat」は「concatenate」の略で、特にテキストファイルの操作で頻繁に使用されます。「cat」コマンドの概要と、その具体的な使い方について、例を交えながら解説します。

「cat」コマンドの概要

「cat」コマンドは、ファイルの内容を標準出力に表示するために使用されます。また、複数のファイルを結合し、1つのファイルとして出力することも可能です。基本的な使い方は以下の通りです。

$ cat [オプション] [ファイル名]

「cat」コマンドの具体例

1. ファイルの内容を表示する

単一のファイルの内容を表示するには、以下のコマンドを使用します。

$ cat filename.txt

例:

$ cat example.txt

このコマンドは、「example.txt」というファイルの内容を標準出力(通常はターミナル)に表示します。

2. 複数のファイルを結合して表示する

$ cat file1.txt file2.txt

複数のファイルの内容を結合して表示するには、以下のコマンドを使用します。

例:

$ cat part1.txt part2.txt

このコマンドは、「part1.txt」と「part2.txt」の内容を連結して表示します。

3. ファイルを結合して新しいファイルを作成する

複数のファイルを結合して新しいファイルを作成するには、以下のコマンドを使用します。

$ cat file1.txt file2.txt > newfile.txt

例:

$ cat chapter1.txt chapter2.txt > complete_book.txt

このコマンドは、「chapter1.txt」と「chapter2.txt」を結合し、その内容を「complete_book.txt」という新しいファイルに書き込みます。

4. 標準入力からの入力をファイルに書き込む

「cat」コマンドを使用して標準入力からの入力をファイルに書き込むこともできます。

$ cat > newfile.txt

このコマンドを実行すると、ターミナルで入力したテキストが「newfile.txt」に保存されます。入力を終了するには、Ctrl + D を押します。

5. 行番号を付けて表示する

「cat」コマンドに「-n」オプションを付けると、ファイルの各行に行番号を付けて表示できます。

$ cat -n filename.txt

例:

$ cat -n document.txt

このコマンドは、「document.txt」の各行に行番号を付けて表示します。

6. 空行を省略して表示する

「cat」コマンドに「-s」オプションを付けると、連続する空行を1行にまとめて表示できます。

$ cat -s filename.txt

例:

$ cat -s notes.txt

このコマンドは、「notes.txt」に含まれる連続した空行を1行にまとめて表示します。

まとめ

「cat」コマンドは、Linuxシステムでファイルの内容を表示したり、結合したりするための基本的かつ非常に便利なコマンドです。単一ファイルの表示から複数ファイルの結合、新しいファイルの作成、行番号の追加、空行の省略など、多様な使い方が可能です。これらの基本的な使い方をマスターすることで、日々のテキストファイル操作が効率的に行えるようになります。ぜひ、さまざまなオプションを試して、「cat」コマンドの便利さを体感してみてください。