sops:YAML / JSON / env ファイルを安全に暗号化

sops

設定ファイル暗号化ツール「sops」の概要と設計思想

sopsとは何か

sops(Secrets OPerationS)は、YAML / JSON / ENV などの設定ファイルに含まれる秘密情報を安全に暗号化・管理するためのCLIツールです。 ファイル全体を暗号化するのではなく、特定のキーや値のみを暗号化できる点が最大の特徴です。

主にインフラ構成管理・IaC・CI/CD・Kubernetes などの現場で利用されており、「設定ファイルをGitで管理しながら、秘密情報だけを安全に守る」という現代的な運用を実現します。

sopsの設計思想

  • 設定ファイルはそのまま管理: YAML / JSON の構造を保持
  • 秘密情報だけ暗号化: 差分管理・レビューが可能
  • Git前提の設計: 暗号化したままリポジトリに保存
  • 暗号方式は外部委譲: age / GPG / KMS を利用

sopsで管理できる情報

  • 環境変数ファイル(.env)
  • アプリケーション設定(YAML / JSON)
  • APIキー・アクセストークン
  • データベース接続情報
  • Kubernetes Secret 用設定

sopsの主な特徴

  • 構造保持型暗号化: ファイル形式を壊さずに暗号化
  • 差分が見える: Gitでのレビュー・履歴管理が可能
  • 複数暗号方式対応: age / GPG / AWS KMS / GCP KMS / Azure Key Vault
  • 自動化向き: CI/CDやデプロイフローに自然に組み込み可能

age / GPG との役割の違い

  • age: 軽量・単機能なファイル暗号化ツール
  • GPG: 多機能な汎用暗号ツール
  • sops: 設定ファイル特化の暗号化オーケストレーター

sops自身は暗号アルゴリズムを持たず、「どこを・どう暗号化するか」を制御する役割を担います。

sopsが向いている利用シーン

  • 設定ファイルをGitで管理したい場合
  • CI/CDで安全に秘密情報を扱いたい場合
  • KubernetesやIaC環境でSecretを管理したい場合
  • ageやKMSを使った鍵管理を行いたい場合

sopsが向いていないケース

  • 単純なファイル暗号化だけを行いたい場合
  • GUIベースのパスワード管理を求める場合
  • Git管理を前提としない運用

sopsの位置づけ

  • 個人用パスワード管理: pass
  • チーム共有・権限管理: gopass
  • 軽量暗号化ツール: age
  • 設定ファイル暗号化: sops
  • 企業向け秘密管理: Vault

基本的な使い方(概念)

  • 初期暗号化: 設定ファイルを暗号化 $ sops -e config.yaml > config.enc.yaml
  • 編集: 復号しながらエディタで編集 $ sops config.enc.yaml
  • 復号: 実行時やデプロイ時に復号 $ sops -d config.enc.yaml

sops + age の組み合わせ

近年は age + sops の組み合わせが主流になりつつあります。 GPGの複雑な鍵管理を避けつつ、シンプルで安全な鍵運用が可能になるためです。

  • 鍵管理がシンプル
  • CI/CDとの相性が良い
  • 人為的ミスが起きにくい

まとめ

sopsは、「設定ファイルをそのままGit管理したい」という現代的な要求に真正面から応える秘密管理ツールです。 ファイル全体を暗号化するのではなく、必要な部分だけを安全に守るという思想により、 レビュー性・自動化・セキュリティを高い次元で両立できます。

ageやKMSと組み合わせることで、個人利用からチーム・企業規模まで柔軟に対応でき、 インフラ運用・アプリ開発の現場における事実上の標準ツールのひとつと言えるでしょう。