PCIデバイスの一覧を表示するコマンド「lspci」

lspci

lspciコマンドについての概要と詳細

lspciコマンドとは

lspciコマンドは、LinuxやUNIX系OSでPCIバスに接続された全デバイス(PCIデバイス)を一覧表示するための標準ユーティリティです。ネットワークカードやグラフィックカード、SATA/RAIDコントローラ、USBコントローラなど、マザーボード上の各種拡張カードや組み込みデバイスの認識・型番・ベンダー名などを調べる際に利用されます。システム管理やトラブルシューティング、ハードウェアの資産管理などで必須のコマンドです。

主な用途

  • ネットワークカードやGPU、SATA/USBコントローラなどのデバイス情報取得
  • PCIデバイスのベンダー名や型番、デバイスIDの特定
  • デバイスが正しく認識されているかの確認やドライバ導入前の調査
  • システムのハードウェア資産管理や構成記録

主な特徴

  • 全PCIデバイスの一覧表示:PCIバスに接続されているすべてのデバイスを網羅的にリストアップ
  • 詳細表示:-v(verbose)オプションでIRQやI/Oアドレス、ドライバ名など詳細情報を表示
  • ベンダー名・デバイス名変換:システムのpci.idsデータベースと照合してベンダー名や製品名を自動表示
  • スクリプト連携も容易:1行ごとに情報が整理されているので自動化や資産管理にも便利

基本的な使い方

lspci
  • lspci:全PCIデバイスを簡易一覧表示
  • lspci -v:詳細情報を表示
  • lspci -vv:さらに詳細な情報(デバッグ用途向け)
  • lspci -nn:ベンダーID/デバイスIDを数値で表示
  • lspci -k:カーネルが割り当てているドライバ情報も表示
  • lspci -t:ツリー構造でバス接続状態を表示

主なオプション一覧

オプション説明
-v, -vv詳細情報表示(-vvでさらに詳細)
-n, -nnベンダーID/デバイスIDを数値で表示(-nnで名前と番号両方)
-kカーネルが割り当てたドライバ名も表示
-tPCIバスのツリー構造を表示
-s [バス:デバイス.関数]特定のデバイスのみ表示
-d [ベンダー:デバイス]指定ベンダー・デバイスのみ抽出

インストール方法

RPM系(RedHat, CentOS, Fedoraなど)
$ sudo dnf install pciutils 

Debian系(Debian, Ubuntuなど)
$ sudo apt install pciutils 

lspciの活用ポイント

  • 新しいデバイス追加時やドライバトラブル時の型番・ID確認
  • ネットワークカードやグラフィックボードの詳細確認
  • 資産管理台帳やハードウェア監査の際の構成記録

まとめ

lspciコマンドは、LinuxなどのシステムでPCIデバイスの一覧や詳細情報を取得できる必須ツールです。ドライバ導入時の型番調査やハードウェア管理、トラブルシューティングに幅広く活用してください。