スループット・レイテンシ・ジッタの測定と評価指標

目次
スループット・レイテンシ・ジッタの測定と評価指標|ネットワーク品質を正しく評価するための基礎と実務
ネットワーク性能を評価する際、「速度」という単一の指標だけでは不十分です。 実際には、スループット(Throughput)、 レイテンシ(Latency)、 ジッタ(Jitter)といった複数の指標を組み合わせて評価する必要があります。
これらの指標はそれぞれ異なる意味を持ち、 用途によって重要度も大きく変わります。
本記事では、それぞれの定義、測定方法、評価基準、 そして実務での判断ポイントについて詳しく解説します。
スループットとは
スループットとは、単位時間あたりに実際に転送できたデータ量を指します。
スループット = 実際に転送されたデータ量 / 時間
単位はbps(bit per second)で表され、 ネットワークの「実効速度」とも呼ばれます。
特徴
- 帯域よりも現実的な指標
- ネットワーク状況に依存
- TCP/UDPの影響を受ける
レイテンシとは
レイテンシは、データ送信から受信までにかかる時間です。
レイテンシ = 送信 → 受信までの時間
単位はミリ秒(ms)で表されます。
構成要素
- 伝搬遅延
- 処理遅延
- キューイング遅延
- 転送遅延
ジッタとは
ジッタは、レイテンシのばらつきを表す指標です。
例:
10ms → 15ms → 30ms → 20ms
→ この変動がジッタ
平均遅延が低くても、ジッタが大きいと通信品質は低下します。
各指標の関係
| 指標 | 意味 | 影響対象 |
|---|---|---|
| スループット | データ量 | ダウンロード速度 |
| レイテンシ | 遅延時間 | 応答速度 |
| ジッタ | 遅延の安定性 | リアルタイム品質 |
測定方法
スループット測定
iperf3 -c サーバIP
TCPまたはUDPで測定可能。
レイテンシ測定
ping example.com
RTT(往復遅延)として測定。
ジッタ測定
iperf3 -u -c サーバIP
UDP通信でばらつきを測定。
評価指標の目安
レイテンシ
- 〜10ms:非常に良好
- 10〜50ms:良好
- 50〜100ms:許容範囲
- 100ms以上:遅延を感じる
ジッタ
- 〜5ms:安定
- 5〜20ms:やや不安定
- 20ms以上:品質低下
スループット
回線帯域の70%以上が出ていれば良好とされることが多い。
用途別の重要指標
Web閲覧
- レイテンシ重視
動画配信
- スループット重視
オンラインゲーム
- レイテンシ・ジッタ重視
VoIP
- ジッタ最重要
測定時の注意点
- 複数回測定する
- 時間帯を変える
- 有線で測定する
- バックグラウンド通信を停止
実務での問題例
ケース1:スループットは高いが遅い
レイテンシが高い可能性。
ケース2:平均遅延は低いが不安定
ジッタが大きい。
ケース3:速度が出ない
パケットロスや輻輳の影響。
よくある誤解
Mbpsだけ見ればよい
→ 他の指標も重要。
平均値だけ見ればよい
→ 分散や最大値も重要。
1回の測定で判断
→ 誤差が大きい。
まとめ
ネットワーク性能の評価には、 スループット、レイテンシ、ジッタの3つの指標を組み合わせることが重要です。
スループットはデータ量、 レイテンシは応答速度、 ジッタは安定性を示します。
用途によって重視すべき指標は異なるため、 目的に応じた評価が必要です。
正しい測定と分析を行うことで、 ネットワークのボトルネックを正確に特定できます。





