trash / trash-put:コマンドラインでごみ箱移動、復元も簡単

trash

trash / trash-put コマンドについての概要と詳細

trash / trash-putとは

trashtrash-put は、Linux環境でファイルを「完全に削除」する代わりに、デスクトップ環境のごみ箱(Trash)へ移動させるコマンドラインツールです。
これにより、誤って削除してしまったファイルを GUI の「ごみ箱」アプリから復元することが可能になります。

rm や unlink とは異なり、「安全な削除」を目的としたコマンドであり、特にデスクトップユーザーやスクリプトで誤削除を防ぎたいケースに役立ちます。

提供パッケージと互換性

このコマンドは、FreeDesktop.org Trash仕様(XDG仕様)に準拠しており、NautilusDolphinThunar などのGUIごみ箱と連携しています。
主に trash-cli パッケージとして提供されており、複数のサブコマンド(例: trash-listtrash-empty)も含まれています。

インストール方法

Debian/Ubuntu系
$ sudo apt install trash-cli

Fedora系
$ sudo dnf install trash-cli

基本的な使い方

ファイルをごみ箱へ移動する

$ trash-put test.txt

このコマンドで test.txt はシステムのごみ箱へ移動され、~/.local/share/Trash/files/ に保存されます。

複数ファイルの削除

$ trash-put file1.txt file2.txt

ごみ箱内のファイル一覧を確認

$ trash-list

ごみ箱を空にする

$ trash-empty

引数なしで現在のユーザーのごみ箱を空にします。
日数指定も可能です(例: 30日以上前のファイルを削除):

$ trash-empty 30

特定ファイルを復元(GUI経由)

コマンドには復元機能はありませんが、GUIのごみ箱アプリから元の場所へ復元可能です。

trashとrmの違い

機能trash-putrm
ファイルを安全に削除○(復元可)×(即削除)
ごみ箱を利用×
複数ファイル対応
コマンドライン専用
復元機能×(GUI経由)×

使用上の注意

  • trash-put はあくまで「ごみ箱に移動」するのみで、ストレージは消費され続けます
  • 大容量ファイルや古いファイルは trash-empty で定期的に整理するのがおすすめです
  • ルートユーザーや他ユーザーでの利用には注意(/root/.local/share/Trash/などに保存)

まとめ

trash-put は、Linux環境において「安全にファイルを削除」するための便利なCLIツールです。
rm のように即時消去せず、GUIとの互換性もあるため、間違った削除のリスクを抑えたい場面に最適です。
スクリプトでも活用しやすく、ごみ箱の自動整理と組み合わせることで、快適なファイル管理が実現できます。