~/.inputrc:コマンドライン編集の設定ファイル

.inputrc

~/.inputrcについての概要と詳細

~/.inputrcとは

~/.inputrc は、GNU Readlineライブラリの動作をカスタマイズするための設定ファイルです。
Bash や他の readline を使うアプリケーションで、コマンドラインのキー操作や補完の挙動を制御することができます。ユーザーごとに設定可能なファイルで、/etc/inputrc はシステム全体の設定です。

主な用途

  • キーのバインド: 特定のキーにコマンドを割り当てる
  • 補完候補の表示スタイル: メニュー形式での補完
  • 履歴の検索スタイル: インクリメンタル検索(Ctrl+r)などのカスタマイズ
  • 大文字・小文字の無視設定: 補完時の挙動の調整

基本的な記述方法

行ごとに設定を記述します。キーとコマンドをバインドする例

# ~/.inputrc の例

# viモードを有効にする
set editing-mode vi

# 補完時に大文字小文字を無視
set completion-ignore-case on

# 補完候補をメニューで表示
set show-all-if-ambiguous on
TAB: menu-complete

# Ctrl + l でclearを実行
"\C-l": clear-screen

# 履歴のインクリメンタル検索(Ctrl+r)
"\C-r": reverse-search-history

設定項目の一部

オプション名説明
editing-mode vivi風の操作に切り替える(デフォルトは emacs モード)
completion-ignore-case on補完時に大文字小文字を無視
show-all-if-ambiguous on補完候補が複数あるときに即座に表示
bell-style noneビープ音を無効化
set colored-stats On補完リストを色付きで表示(bash-completion対応時)

有効化のタイミング

  • ~/.inputrc の変更は新しいシェルで有効になります。
  • 現在のセッションに即時反映するには、以下のように bash を再起動します:
$ exec bash

関連ファイル

  • /etc/inputrc システム全体の設定(全ユーザーに適用)
  • ~/.inputrc 自分だけに適用される個人設定

まとめ

~/.inputrc は、コマンドライン操作の快適性を高めるために非常に重要なファイルです。キーバインドや補完の挙動を自在に変更できるため、作業効率を上げるカスタマイズが可能です。
viモードへの切り替えや履歴の操作、補完スタイルの最適化など、自分に合った設定を行うことで、より生産的なCLI環境を構築できます。