Krusader(ファイルマネージャ)

2025年6月23日 2025年6月23日

KoAN

Krusaderとは

Krusader（クルセーダー）は、KDE Plasma デスクトップ環境向けの高機能なデュアルペインファイルマネージャです。Norton Commander のようなクラシックな2ペインインターフェースを採用し、ファイル操作を効率的に行うことができます。Linux上で最も強力なファイルマネージャの一つとされ、FTP/SFTP対応やアーカイブ管理など、多機能な点が特徴です。

Krusaderの特徴

Krusaderは、以下のような特徴を持つファイルマネージャです。

デュアルペインUI: 2つのフォルダを並べて表示し、効率的なファイル操作が可能。
高度なファイル管理機能: コピー、移動、削除、リネームなどの操作をバッチで実行可能。
圧縮ファイルの操作: ZIP、TAR、RAR などのアーカイブを直接閲覧・編集可能。
リモートファイルアクセス: FTP、SFTP、Samba（SMB）などに対応。
強力な検索機能: 高度なフィルタリングが可能なファイル検索機能を搭載。
ディレクトリ同期機能: 2つのフォルダの内容を比較し、同期処理が可能。
ルートモード: システム管理者向けに管理者権限でのファイル操作が可能。
タブ機能: 複数のフォルダをタブで開いて管理可能。
KIO統合: KDEのKIOフレームワークと連携し、リモートファイル操作をシームレスに実行可能。

Krusaderの基本的な操作

1. ファイルのコピー・移動

ファイルを片方のペインからもう片方のペインにドラッグ＆ドロップ。
F5: コピー
F6: 移動
F8: 削除
F2: 名前変更

2. タブの管理

Ctrl + T: 新しいタブを開く。
Ctrl + W: 現在のタブを閉じる。
Ctrl + Tab: タブを切り替える。

3. ディレクトリ同期機能

メニュー → ツール → 「ディレクトリの比較」からフォルダの内容を比較可能。
異なるファイルを検出し、手動または自動で同期できる。

4. アーカイブファイルの操作

ZIPやTARファイルを通常のフォルダのように開いて、ファイルを編集可能。
圧縮/解凍機能を搭載（RAR、7z、Gzip などをサポート）。

5. リモートサーバーへの接続

Ctrl + Shift + L: FTP、SFTP、SMBサーバーに接続可能。
メニュー → ツール → 「ネットワーク接続」でサーバー設定を追加可能。

6. 隠しファイルの表示

Alt + .: 隠しファイル（ドットファイル）を表示/非表示切り替え。

7. 高度な検索機能

Ctrl + S: ファイル検索ツールを開く。
正規表現を利用した検索も可能。

Krusaderのインストール方法

Debian/Ubuntu系

$ sudo apt update
$ sudo apt install krusader

Fedora

$ sudo dnf install krusader

Arch Linux

$ sudo pacman -S krusader

Gentoo

$ sudo emerge --ask kde-apps/krusader

Krusaderのカスタマイズ

Krusaderは、多くの設定をカスタマイズすることが可能です。

1. デフォルトの表示モードをリストビューに変更

メニュー → 設定 → 表示モード → 「リストビュー」を選択。

2. キーボードショートカットの変更

設定 → キーボードショートカットのカスタマイズが可能。

3. ルートモードで起動

管理者権限でファイルを操作する場合、以下のコマンドを使用:

kdesu krusader

4. プラグインの追加

Krusaderは、KDEのKIOスレーブを利用してさまざまな機能を拡張できます。

kio-extras: FTP、SFTP、WebDAVのサポートを追加。

sudo apt install kio-extras

Krusaderのメリット

デュアルペインUI: 効率的なファイル管理が可能。
強力な検索・同期機能: ディレクトリ比較や高度な検索が可能。
リモートファイルアクセス: FTP、SFTP、SMBに対応。
アーカイブの統合: ZIP、TAR、RAR などを直接操作可能。
ルートモード対応: システム管理者向けに管理者権限での操作が可能。

Krusaderのデメリット

KDE依存: KDEライブラリを必要とするため、他のデスクトップ環境で使うと追加のパッケージが必要。
初心者にはやや複雑: 高機能な分、シンプルなファイルマネージャより設定が多い。
デフォルトで一部の機能が不足: 一部のリモートアクセス機能は追加のKIOプラグインが必要。

まとめ

Krusaderは、高機能なデュアルペインファイルマネージャであり、KDE環境に最適化されています。リモートファイルアクセス、圧縮ファイルの操作、ディレクトリ同期、強力な検索機能など、多くの機能を搭載しており、ファイル管理を効率化したいユーザーに適しています。特にパワーユーザーやシステム管理者にとって便利なツールとなります。