3ウェイハンドシェーク

3ウェイハンドシェーク

はじめに

TCP(Transmission Control Protocol)は、信頼性の高い通信を提供するためのプロトコルです。TCPは、データの送受信時にエラーが発生しないようにし、パケットの順序を保証します。これを実現するための重要な手法が「3ウェイハンドシェイク」です。本記事では、3ウェイハンドシェイクの概要とその詳細について詳しく解説します。

3ウェイハンドシェイクの概要

3ウェイハンドシェイクは、TCP接続を確立するためのプロセスです。クライアントとサーバーが互いに通信の準備ができていることを確認し、信頼性のある通信路を構築します。このプロセスは以下の3つのステップで構成されています:

  1. SYN(同期)パケットの送信
  2. SYN-ACK(同期応答)パケットの受信
  3. ACK(応答)パケットの送信

3ウェイハンドシェイクの詳細

1. SYNパケットの送信

まず、通信を開始したいクライアントは、サーバーに対してSYN(synchronize)パケットを送信します。このパケットには、初期シーケンス番号(Initial Sequence Number, ISN)が含まれており、クライアントが通信を開始する意思を示します。

クライアント → サーバー: SYN (シーケンス番号 = x)

2. SYN-ACKパケットの受信

サーバーはクライアントからのSYNパケットを受信すると、その確認応答としてSYN-ACKパケットを送信します。このパケットには、サーバーの初期シーケンス番号と、クライアントのSYNパケットに対するACK(acknowledgment)番号が含まれています。

サーバー → クライアント: SYN-ACK (シーケンス番号 = y, ACK番号 = x+1)

3. ACKパケットの送信

クライアントは、サーバーからのSYN-ACKパケットを受信すると、最後にACKパケットをサーバーに送信します。このパケットには、サーバーのSYNパケットに対するACK番号が含まれています。これにより、TCP接続が確立されます。

クライアント → サーバー: ACK (ACK番号 = y+1)

3ウェイハンドシェイクの重要性

3ウェイハンドシェイクは、以下のような重要な役割を果たしています:

  • 信頼性の確立:クライアントとサーバーが互いに通信の準備ができていることを確認し、データが正しく送受信されることを保証します。
  • シーケンス番号の同期:シーケンス番号を交換することで、送受信するパケットの順序を正確に管理します。
  • ネットワーク状態の確認:最初に小さなパケットを送受信することで、ネットワークの状態を確認し、問題があれば接続を試みる前に検出します。

まとめ

TCPの3ウェイハンドシェイクは、信頼性の高い通信を実現するための基本的なプロセスです。この手法により、クライアントとサーバーは互いに通信の準備ができていることを確認し、シーケンス番号を同期させることでデータの正確な送受信を保証します。TCPを利用するアプリケーションやサービスの安定した動作には、3ウェイハンドシェイクが欠かせません。