Double Commander(ファイルマネージャ)

Double Commander

Double Commanderとは

Double Commander(ダブルコマンダー)は、クロスプラットフォーム対応のデュアルペインファイルマネージャであり、Total Commanderのクローンとして開発されました。Linux、Windows、macOS などで動作し、高度なファイル管理機能を備えています。

Double Commanderの特徴

Double Commanderは、以下のような特徴を持つファイルマネージャです。

  • デュアルペインUI: 2つのフォルダを並べて表示し、効率的なファイル操作が可能。
  • カスタマイズ性の高いUI: ツールバー、ショートカット、テーマを自由に変更可能。
  • タブ機能: 複数のフォルダをタブで開いて管理可能。
  • ファイル検索機能: 高度なフィルタリングや正規表現を使った検索が可能。
  • リモートファイルアクセス: FTP、SFTP、SMB(Samba)などに対応。
  • アーカイブ管理: ZIP、TAR、RAR などのアーカイブをフォルダのように操作可能。
  • ファイル比較・同期機能: 2つのフォルダの内容を比較し、同期処理が可能。
  • プラグイン対応: Total Commanderのプラグイン(WCX、WFX、WLX、WDX)を利用可能。
  • クロスプラットフォーム対応: Linux、Windows、macOS で利用可能。

Double Commanderの基本的な操作

1. ファイルのコピー・移動

  • ファイルを片方のペインからもう片方のペインにドラッグ&ドロップ。
  • F5: コピー
  • F6: 移動
  • F8: 削除
  • F2: 名前変更

2. タブの管理

  • Ctrl + T: 新しいタブを開く。
  • Ctrl + W: 現在のタブを閉じる。
  • Ctrl + Tab: タブを切り替える。

3. ディレクトリ同期機能

  • メニュー → ツール → 「ディレクトリの比較」でフォルダの内容を比較可能。
  • 異なるファイルを検出し、手動または自動で同期できる。

4. アーカイブファイルの操作

  • ZIPやTARファイルを通常のフォルダのように開いて、ファイルを編集可能。
  • 圧縮/解凍機能を搭載(RAR、7z、Gzip などをサポート)。

5. リモートサーバーへの接続

  • メニュー → ネットワーク接続 → 「FTP/SFTPサーバーを追加」から設定可能。

6. 隠しファイルの表示

  • Alt + .: 隠しファイル(ドットファイル)を表示/非表示切り替え。

7. 高度な検索機能

  • Ctrl + F: ファイル検索ツールを開く。
  • 正規表現を利用した検索が可能。

Double Commanderのインストール方法

Debian/Ubuntu系

$ sudo apt update
$ sudo apt install doublecmd-gtk

Fedora

$ sudo dnf install doublecmd-gtk

Arch Linux

$ sudo pacman -S doublecmd-gtk2

Gentoo

$ sudo emerge --ask doublecmd

Double Commanderのカスタマイズ

Double Commanderは、多くの設定をカスタマイズすることが可能です。

1. デフォルトの表示モードをリストビューに変更

  • メニュー → 設定 → 表示モード → 「リストビュー」を選択。

2. キーボードショートカットの変更

  • 設定 → キーボードショートカットのカスタマイズが可能。

3. ルートモードで起動

  • 管理者権限でファイルを操作する場合、以下のコマンドを使用:
gksudo doublecmd

4. プラグインの追加

Double Commanderは、Total Commander用のプラグインを利用できます。

  • WCX: アーカイブファイル用プラグイン。
  • WFX: ネットワーク接続用プラグイン。
  • WLX: ファイルプレビュー用プラグイン。
  • WDX: 拡張属性管理プラグイン。

Double Commanderのメリット

  • デュアルペインUI: 効率的なファイル管理が可能。
  • クロスプラットフォーム対応: Linux、Windows、macOS で利用可能。
  • リモートファイルアクセス: FTP、SFTP、SMB に対応。
  • アーカイブの統合: ZIP、TAR、RAR などを直接操作可能。
  • 豊富なプラグイン対応: Total Commander のプラグインが利用可能。

Double Commanderのデメリット

  • UIがややレガシー: モダンなデザインではなく、Total Commander風の古典的なデザイン。
  • KDE環境向けではない: Qtバージョンもあるが、主にGTK版が一般的。
  • 初期設定が多い: 多機能なため、使いこなすには設定の調整が必要。

まとめ

Double Commanderは、高機能なデュアルペインファイルマネージャであり、クロスプラットフォーム対応のため、Linux、Windows、macOS で利用可能です。リモートファイルアクセス、圧縮ファイルの操作、ディレクトリ同期、強力な検索機能など、多くの機能を搭載しており、ファイル管理を効率化したいユーザーに適しています。特にパワーユーザーやシステム管理者にとって便利なツールとなります。