Midnight Commander(ファイルマネージャ)

目次
Midnight Commanderとは
Midnight Commander(MC)は、LinuxおよびUnix系システム向けのCUI(キャラクタユーザインターフェース)ファイルマネージャです。Norton Commander のスタイルを踏襲したデュアルペイン構成を採用しており、ターミナル上での効率的なファイル管理を可能にします。
Midnight Commanderの特徴
Midnight Commanderは、以下のような特徴を持つファイルマネージャです。
- デュアルペインUI: 2つのフォルダを同時に表示し、ファイル操作を直感的に行える。
- キーボード中心の操作: マウスなしでも快適にファイル管理が可能。
- ターミナル上で動作: SSH環境でも利用できるため、リモートサーバー管理に最適。
- ファイル検索機能: 強力な検索ツールを内蔵。
- リモートファイルアクセス: FTP、SFTP をサポート。
- 圧縮ファイルの操作: ZIP、TAR、RAR などのアーカイブを直接閲覧・編集可能。
- ファイル比較・同期機能: 2つのフォルダの内容を比較し、同期処理が可能。
- 組み込みテキストエディタ(mcedit): 簡単な編集作業が可能。
Midnight Commanderの基本的な操作
1. 起動
- ターミナルを開いて、以下のコマンドを実行:
mc
2. ファイルのコピー・移動
F5
: コピーF6
: 移動F8
: 削除F2
: 名前変更
3. 隠しファイルの表示
Alt + .
: 隠しファイル(ドットファイル)を表示/非表示切り替え。
4. ファイル検索
Ctrl + S
: クイック検索。Ctrl + F
: 詳細検索。
5. ディレクトリ同期機能
Ctrl + X
→D
: 2つのディレクトリの比較。
6. アーカイブファイルの操作
- ZIPやTARファイルを通常のフォルダのように開いて、ファイルを編集可能。
7. リモートサーバーへの接続
- FTP/SFTPをサポートしており、以下のコマンドで接続可能:
cd /#ftp:user@server cd /#sftp:user@server
8. 組み込みエディタ(mcedit)の使用
- ファイルを選択し、
F4
を押すとmcedit
で開く。
Midnight Commanderのインストール方法
Debian/Ubuntu系
$ sudo apt update
$ sudo apt install mc
Fedora
$ sudo dnf install mc
Arch Linux
$ sudo pacman -S mc
Gentoo
$ sudo emerge --ask app-misc/mc
Midnight Commanderのカスタマイズ
Midnight Commanderは、設定ファイルを変更することでカスタマイズが可能です。
1. 設定ファイルの場所
- 設定ファイルは
~/.config/mc/ini
に保存される。
2. 配色の変更
- テーマを変更するには、以下のコマンドを実行:
mc --skin=dark
3. キーバインドの変更
- 設定 → 「キーバインド」から変更可能。
4. 外部エディタの設定
- mceditの代わりにvimを使うには:
export EDITOR=vim
Midnight Commanderのメリット
- 軽量で高速: 低スペックな環境でも快適に動作。
- SSH環境での使用が容易: リモートサーバー管理に最適。
- デュアルペインUI: ファイル管理が効率的。
- キーボード操作が快適: GUI不要で高速に操作可能。
- 組み込みエディタ搭載: CLI環境での編集作業に便利。
Midnight Commanderのデメリット
- GUIに慣れたユーザーには取っ付きにくい: キーボード操作が中心。
- 設定ファイルのカスタマイズが必要: 初期設定のままだと一部機能が不足。
- リモートアクセス機能は限定的: FTPやSFTPはサポートするが、SMBやWebDAVは標準では利用できない。
まとめ
Midnight Commanderは、LinuxやUnix系OSで利用できるCUIベースのデュアルペインファイルマネージャであり、ターミナル環境でのファイル管理を効率化します。特にリモートサーバーの管理や、軽量な環境での利用に適しており、キーボード操作が得意なユーザーに最適です。