Caja(ファイルマネージャ)

2025年6月21日 2025年6月21日

KoAN

Cajaとは

Caja（カハ）は、MATEデスクトップ環境の標準ファイルマネージャであり、GNOME 2時代のNautilusをベースに開発されました。シンプルで軽量ながら、直感的な操作性と基本的な機能を備えた使いやすいファイルマネージャです。

Cajaの特徴

Cajaは、以下のような特徴を持つファイルマネージャです。

軽量でシンプル: MATEデスクトップ環境向けに最適化されており、リソース消費が少ない。
クラシックなUI: GNOME 2の伝統的なデザインを引き継いでいる。
タブ機能: 複数のフォルダをタブで開いて管理可能。
デュアルペインモード: 画面を分割して異なるフォルダを並べて操作可能。
リモートファイルシステム対応: FTP、SFTP、SMB（Samba）、NFS などをサポート。
デスクトップ管理機能: デスクトップのアイコンを管理可能。
プラグイン対応: Caja独自の拡張機能を追加できる。

Cajaの基本的な操作

1. ファイルのコピー・移動

ドラッグ＆ドロップでファイルを移動またはコピー可能。
Ctrl + C（コピー）、Ctrl + V（貼り付け）、Ctrl + X（切り取り）が利用可能。

2. タブの管理

Ctrl + T: 新しいタブを開く。
Ctrl + W: 現在のタブを閉じる。
Ctrl + Tab: タブを切り替える。

3. デュアルペインモード

F3: 画面を分割し、2つのフォルダを同時に操作可能。
左右のペイン間でドラッグ＆ドロップして簡単にファイルを移動可能。

4. 検索機能

Ctrl + F: ファイル検索を開始。

5. 隠しファイルの表示

Ctrl + H: 隠しファイル（ドットファイル）を表示/非表示切り替え。

6. リモートサーバーへの接続

Ctrl + L を押してアドレスバーを開き、以下のように入力する:
FTP: ftp://example.com
SFTP: sftp://example.com
SMB（Windows共有）: smb://example.com

7. コンテキストメニューの拡張

Cajaでは、右クリックメニューにカスタムアクションを追加できます。

例: 端末で開く
- 名前: 端末で開く
- コマンド: mate-terminal --working-directory=%f
- 条件: すべてのフォルダに適用

Cajaのインストール方法

Debian/Ubuntu系

$ sudo apt update
$ sudo apt install caja

Fedora

$ sudo dnf install caja

Arch Linux

$ sudo pacman -S caja

Gentoo

$ sudo emerge --ask mate-base/caja

Cajaのカスタマイズ

Cajaは、シンプルながらもいくつかの設定を変更できます。

1. デフォルトの表示モードをリストビューに変更

メニュー → 表示 → リストビューを選択。

2. デスクトップのアイコン管理

Cajaはデスクトップのアイコン管理機能を提供するため、MATE環境以外でも利用可能。
デスクトップアイコンを有効にするには以下のコマンドを実行:

gsettings set org.mate.background show-desktop-icons true

3. カスタムショートカットキーの設定

設定 → ショートカットキーをカスタマイズ可能。

4. Cajaプラグインの追加

Cajaはプラグインを追加することで機能を強化できます。

caja-actions: カスタムアクションを追加。
caja-extensions: 各種拡張機能を提供。
caja-image-converter: 画像変換ツールを統合。
caja-share: Sambaを利用したファイル共有機能を追加。

sudo apt install caja-actions caja-extensions caja-image-converter caja-share

Cajaのメリット

軽量で高速: MATE環境に最適化されており、動作が軽快。
クラシックなUI: GNOME 2の伝統的なデザインを維持。
デスクトップ管理機能: NemoやNautilusと同様にデスクトップアイコンを管理可能。
リモートファイルシステム対応: FTP、SFTP、SMB などをサポート。

Cajaのデメリット

MATE向けに最適化されている: 他のデスクトップ環境では統合が不完全な場合がある。
GNOME 2ベースの設計: 最新のファイルマネージャに比べて、一部機能が劣る。
カスタマイズ性が制限される: DolphinやNemoほどの高度なカスタマイズはできない。

まとめ

Cajaは、MATEデスクトップ環境向けに最適化されたクラシックなファイルマネージャであり、シンプルかつ軽量な動作を提供します。基本機能は十分に備えており、デスクトップ管理やリモートファイルアクセスにも対応しています。GNOME 2の操作性を好むユーザーや、MATE環境で統合的なファイル管理を行いたい場合に適しています。