Nemo(ファイルマネージャ)

目次
Nemoとは
Nemo(ネモ)は、Cinnamonデスクトップ環境の標準ファイルマネージャであり、GNOMEのNautilusをベースに開発されました。シンプルで使いやすいインターフェースを持ちながらも、機能の豊富さとカスタマイズ性の高さが特徴です。
Nemoの特徴
Nemoは、以下のような特徴を持つファイルマネージャです。
- 直感的なインターフェース: Nautilusに似たシンプルなデザイン。
- タブ機能: 複数のフォルダをタブで開いて管理可能。
- デュアルペインモード: 画面を分割して異なるフォルダを並べて操作可能。
- リモートファイルシステム対応: FTP、SFTP、SMB(Samba)、NFS などをサポート。
- カスタムアクション対応: ユーザー定義の操作を追加できる。
- デスクトップ管理機能: デスクトップのアイコンを管理可能。
- 豊富なプラグイン対応: Nemo独自の機能拡張が可能。
Nemoの基本的な操作
1. ファイルのコピー・移動
- ドラッグ&ドロップでファイルを移動またはコピー可能。
Ctrl + C
(コピー)、Ctrl + V
(貼り付け)、Ctrl + X
(切り取り)が利用可能。
2. タブの管理
Ctrl + T
: 新しいタブを開く。Ctrl + W
: 現在のタブを閉じる。Ctrl + Tab
: タブを切り替える。
3. デュアルペインモード
F3
: 画面を分割し、2つのフォルダを同時に操作可能。- 左右のペイン間でドラッグ&ドロップして簡単にファイルを移動可能。
4. 検索機能
Ctrl + F
: ファイル検索を開始。
5. 隠しファイルの表示
Ctrl + H
: 隠しファイル(ドットファイル)を表示/非表示切り替え。
6. リモートサーバーへの接続
Ctrl + L
を押してアドレスバーを開き、以下のように入力する:- FTP:
ftp://example.com
- SFTP:
sftp://example.com
- SMB(Windows共有):
smb://example.com
7. コンテキストメニューの拡張
Nemoでは、右クリックメニューにカスタムアクションを追加できます。
- 例: 端末で開く
- 名前: 端末で開く
- コマンド:
gnome-terminal --working-directory=%f
- 条件: すべてのフォルダに適用
Nemoのインストール方法
Debian/Ubuntu系
$ sudo apt update
$ sudo apt install nemo
Fedora
$ sudo dnf install nemo
Arch Linux
$ sudo pacman -S nemo
Gentoo
$ sudo emerge --ask gnome-extra/nemo
Nemoのカスタマイズ
Nemoは、見た目や機能を柔軟にカスタマイズできます。
1. デフォルトの表示モードをリストビューに変更
- メニュー → 表示 → リストビューを選択。
2. デスクトップのアイコン管理
- Nemoはデスクトップのアイコン管理機能を提供するため、Cinnamon環境以外でも利用可能。
- デスクトップアイコンを有効にするには以下のコマンドを実行:
gsettings set org.nemo.desktop show-desktop-icons true
3. カスタムショートカットキーの設定
- 設定 → ショートカットキーをカスタマイズ可能。
4. Nemoプラグインの追加
Nemoはプラグインを追加することで機能を強化できます。
nemo-preview
: ファイルのプレビュー機能を追加。nemo-share
: Sambaを利用したファイル共有機能を追加。nemo-terminal
: フォルダ内で右クリックからターミナルを開けるようにする。
sudo apt install nemo-preview nemo-share nemo-terminal
Nemoのメリット
- シンプルで使いやすい: GNOMEのNautilusに似た直感的なUI。
- カスタマイズ性が高い: 設定の自由度が高く、プラグインで機能拡張が可能。
- デスクトップ管理機能: ファイルマネージャとデスクトップアイコン管理を統合できる。
- リモートファイルシステム対応: FTP、SFTP、SMB などをサポート。
Nemoのデメリット
- Cinnamon向けに最適化されている: 他のデスクトップ環境では統合が不完全な場合がある。
- GNOME系ライブラリに依存: 他の軽量デスクトップ環境では、追加の依存関係が発生する可能性がある。
- 他のファイルマネージャより重い場合がある: LXQtやXfceなどの超軽量環境では、ThunarやPCManFMの方が軽快に動作する。
まとめ
Nemoは、Cinnamon環境に最適化された高機能ファイルマネージャであり、カスタマイズ性の高さと使いやすさが魅力です。デスクトップ管理機能やデュアルペイン、プラグインによる拡張性を備えており、柔軟なファイル管理を求めるユーザーに適しています。