MBRとGPT
目次
MBRとGPTの違い
MBR(Master Boot Record)とGPT(GUID Partition Table)は、ハードディスクやSSDなどのストレージデバイスにパーティション情報を管理するための2つの主要な規格です。これらの規格は、どのようにデータが保存され、OSがストレージデバイスを認識するかに大きな影響を与えます。本記事では、MBRとGPTの概要と詳細、そしてそれぞれの違いについて解説します。
MBRの概要と詳細
MBRの概要
MBRは、1983年にIBM PC DOS 2.0と共に導入された古い規格です。MBRは、ディスクの最初のセクタに位置し、ブートローダーコード、パーティションテーブル、ディスクの物理レイアウトを格納します。MBRは、BIOSベースのシステムで使用されます。
MBRの詳細
- パーティション数:MBRは最大4つのプライマリパーティションをサポートします。4つ以上のパーティションが必要な場合、1つのプライマリパーティションを拡張パーティションに変換し、その中に論理パーティションを作成します。
- ディスクサイズの制限:MBRは32ビットのアドレッシングを使用するため、最大2TBのディスクサイズに制限されます。
- ブートローダー:MBRには、オペレーティングシステムの起動コードが含まれており、最初に読み込まれます。このブートローダーが、OSをメモリにロードする役割を果たします。
GPTの概要と詳細
GPTの概要
GPTは、UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)規格の一部として導入された新しい規格です。GPTは、ディスク全体にわたって冗長性とデータ整合性を提供し、MBRの制限を克服します。GPTは、ディスクの先頭と末尾にパーティション情報を格納します。
GPTの詳細
- パーティション数:GPTは、理論的には無制限のパーティションをサポートしますが、一般的には128個のパーティションをサポートするように設計されています。
- ディスクサイズの制限:GPTは64ビットのアドレッシングを使用するため、最大9.4ZB(ゼタバイト)のディスクサイズをサポートします。
- 冗長性:GPTは、ディスクの先頭と末尾にパーティション情報を格納し、データの冗長性と整合性を確保します。これにより、パーティションテーブルが破損した場合でも、復元が可能です。
- CRC32チェックサム:GPTは、パーティション情報の整合性を確認するためにCRC32チェックサムを使用します。
MBRとGPTの違い
1. パーティション数の制限
MBRは最大4つのプライマリパーティションをサポートし、4つ以上のパーティションを作成する場合は拡張パーティションが必要です。一方、GPTは128個のパーティションをサポートするため、より多くのパーティションを簡単に作成できます。
2. ディスクサイズの制限
MBRは最大2TBのディスクサイズに制限されますが、GPTは最大9.4ZBまでサポートします。このため、現代の大容量ディスクではGPTが必要となります。
3. データ冗長性と整合性
MBRはパーティション情報をディスクの最初のセクタにのみ格納しますが、GPTはディスクの先頭と末尾にパーティション情報を格納し、データの冗長性と整合性を確保します。
4. ブート方式
MBRはBIOSベースのシステムで使用され、GPTはUEFIベースのシステムで使用されます。UEFIは、BIOSに比べて高速で柔軟性が高く、より多くの機能を提供します。
まとめ
MBR(Master Boot Record)とGPT(GUID Partition Table)は、ストレージデバイスにパーティション情報を管理するための2つの主要な規格です。MBRは古い規格であり、パーティション数とディスクサイズに制限がありますが、BIOSベースのシステムで広く使用されています。GPTは、新しい規格であり、パーティション数やディスクサイズの制限がなく、データの冗長性と整合性を提供します。GPTは、UEFIベースのシステムで使用され、現代の大容量ディスクでの使用が推奨されます。これらの違いを理解することで、適切なパーティション形式を選択し、システムのパフォーマンスと信頼性を向上させることができます。