パーティション操作「parted」

partedコマンド

partedコマンドについての概要と説明

parted は、Linux システムでディスクパーティションを作成、削除、リサイズ、コピー、チェックするためのコマンドラインツールです。特に、GPT(GUID Partition Table)形式とMBR(Master Boot Record)形式の両方に対応しているため、古いMBRディスクから最新のGPTディスクまで幅広くサポートしています。

partedは大容量のディスクや最新のシステムで使われるGPT形式を扱う際に非常に便利です。また、ディスクをオンラインで操作できるため、システムを停止させることなくパーティションを管理できる点が大きな特徴です。

partedとは?

parted は、Linux 環境におけるディスクパーティション管理ツールであり、以下のような操作が可能です:

  • ディスクのパーティションテーブルの作成
  • パーティションの作成・削除・リサイズ・コピー
  • GPT、MBRなどの異なるパーティションテーブル形式のディスクを管理
  • ディスクやパーティションの詳細な情報の表示

GPTは大容量のハードディスク(2TB以上)や128以上のパーティションが必要な場合に主に使用されるパーティション形式です。MBRと比較して柔軟性が高く、将来的に主流となるディスク管理方式です。

partedの主な機能

  • 新しいパーティションの作成: 空き領域に対して新しいパーティションを作成できます。
  • パーティションの削除: 不要になったパーティションを削除してディスクのスペースを再利用できます。
  • パーティションのリサイズ: 既存のパーティションのサイズを変更することができます。
  • パーティションのコピー: 既存のパーティションを別の領域にコピーし、バックアップや複製を作成できます。
  • ディスク全体の情報表示: ディスク全体の構成やパーティション情報を表示することが可能です。

partedのインタラクティブモードと非インタラクティブモード

parted には、インタラクティブモードと非インタラクティブモードの2つのモードがあります。インタラクティブモードでは、partedを起動してからコマンドを1つずつ入力する形でパーティション操作を行います。一方、非インタラクティブモードでは、すべての操作を1つのコマンドラインで実行できます。

インタラクティブモード

インタラクティブモードでは、parted /dev/sda のようにして、指定したディスクを操作します。partedが起動するとプロンプトが表示され、パーティション作成や削除、リサイズなどの操作を行うコマンドを入力することで、ディスクを管理できます。

非インタラクティブモード

非インタラクティブモードでは、すべての操作を1つのコマンドとして入力します。例えば、parted /dev/sda mklabel gpt のようにして、1つのコマンドでディスクラベルを作成したり、パーティションを作成することができます。

partedの代表的なコマンド

コマンド説明
mklabel新しいパーティションテーブル(MBR、GPTなど)を作成します。
mkpart新しいパーティションを作成します。ファイルシステムタイプとサイズを指定できます。
rm既存のパーティションを削除します。
resizepart既存のパーティションのサイズを変更します。
printディスク全体のパーティション情報を表示します。
align-checkパーティションがディスク上の正しい境界に配置されているかを確認します。

GPTとMBRの違い

GPT(GUID Partition Table)は、MBR(Master Boot Record)と比べて次のような特徴があります:

  • 大容量ディスク対応: GPTは2TBを超えるディスクをサポートしています。
  • パーティション数: GPTでは最大128パーティションをサポートし、MBRの4つのプライマリパーティション制限がありません。
  • リダンダンシー: GPTはパーティションテーブルのバックアップをディスクに保存し、MBRよりも信頼性が高くなっています。

そのため、partedはMBRとGPTの両方に対応しており、特に大容量ディスクや最新のシステムではGPT形式を選ぶことで、柔軟で安全なディスク管理が可能です。

partedを使用する際の注意点

  • 操作ミスによるデータ損失: partedはディスクやパーティションを直接操作するため、誤った操作を行うとデータが失われる可能性があります。必ずバックアップを取ってから操作することを推奨します。
  • MBRとGPTの互換性: 古いシステムやBIOSのみに対応したシステムでは、GPTパーティションが認識されない場合があります。そのため、システムの互換性を確認してからパーティションテーブルを選択することが重要です。

まとめ

partedは、GPTおよびMBR形式のディスクのパーティション管理において非常に強力なツールです。ディスクのパーティション操作をオンラインで行えるため、システムを再起動せずにパーティションの作成や削除、リサイズなどが可能です。また、GPT形式のディスクを使用することで、大容量ディスクや多くのパーティションを効率的に管理できます。

ディスク操作はシステムの安定性やデータに影響を与えるため、partedのコマンドを慎重に使用し、必要に応じてバックアップを取っておくことが重要です。特に大容量ディスクを扱う際には、partedを活用して柔軟で安全なディスク管理を実現しましょう。