外部コマンドと内部コマンド

外部コマンドと内部コマンド

Linuxの外部コマンドと内部コマンドの概要と説明

Linuxには、「外部コマンド」と「内部コマンド」の2種類のコマンドがあります。これらはコマンドの処理方法や実行場所によって区別されます。どちらのタイプも、システム操作やスクリプト作成で頻繁に使用されますが、役割や仕組みが異なります。ここでは、それぞれの概要と違い、代表的なコマンドについて説明します。

外部コマンドとは?

外部コマンドは、システム上のファイルとして存在するプログラムやスクリプトで、コマンドを実行するたびに、そのプログラムが起動されます。これらのコマンドは、Linuxの「/bin」や「/usr/bin」といったディレクトリに保存されており、シェルの外部にある実行ファイルです。

外部コマンドの特徴:

  • 実行時にシェルが外部のプログラムを呼び出す。
  • 通常、システムの一部としてインストールされたバイナリファイル。
  • 使用するたびにシステムリソース(メモリ)を消費しますが、柔軟にさまざまなタスクを実行できます。

代表的な外部コマンド:

  • ls: ディレクトリ内のファイルやフォルダを一覧表示します。
  • cp: ファイルやディレクトリをコピーします。
  • mv: ファイルやディレクトリを移動または名前を変更します。
  • rm: ファイルやディレクトリを削除します。
  • find: 指定された条件に基づいてファイルやディレクトリを検索します。

内部コマンドとは?

内部コマンドは、シェル自体に組み込まれているコマンドです。これらはシェルが直接処理し、外部のプログラムを呼び出す必要がありません。そのため、実行速度が速く、システムリソースの消費も少なくなります。シェルが起動する際にこれらのコマンドは常に利用可能です。

内部コマンドの特徴:

  • シェルの一部として組み込まれているため、非常に軽量。
  • シェルの制御や設定に関する操作が多い。
  • 外部コマンドよりも処理が速い。

代表的な内部コマンド:

  • cd: カレントディレクトリを変更します。
  • echo: メッセージや変数の値を表示します。
  • pwd: カレントディレクトリの絶対パスを表示します。
  • exit: シェルを終了します。
  • set: シェル環境の設定を表示または変更します。
  • export: 環境変数を定義します。

外部コマンドと内部コマンドの違い

項目外部コマンド内部コマンド
実行場所シェルの外部で実行シェル内部で実行
存在場所システム上のファイルとして存在シェルに組み込まれている
処理速度比較的遅い高速
システムリソース実行するたびに消費シェル内で直接処理されるため少ない
主な用途ファイル操作やシステムツールの実行シェルの設定、ディレクトリ移動、変数管理など

内部コマンドの一覧(代表例)

コマンド説明
cdカレントディレクトリを変更する
echo指定した文字列を出力する
pwd現在の作業ディレクトリを表示する
exitシェルを終了する
setシェルのオプションや変数を表示または設定する
aliasコマンドのエイリアスを作成する
unset変数や関数の定義を削除する
export環境変数を設定する
readユーザー入力を受け取る
umask新しいファイルやディレクトリのパーミッションを制御する
typeコマンドが内部コマンドか外部コマンドかを確認する

外部コマンドと内部コマンドの確認方法

type コマンドを使用すると、指定したコマンドが内部コマンドか外部コマンドかを確認できます。たとえば、次のように使用します。

# type cd  # 内部コマンド
# type ls  # 外部コマンド

このようにして、コマンドの種類を確認し、適切に使用することができます。

まとめ

Linuxの外部コマンドと内部コマンドは、それぞれ異なる役割を持ち、異なる方法で処理されます。内部コマンドはシェルの一部として動作し、高速でリソースを節約できますが、外部コマンドはより複雑なタスクを実行するために設計されています。これらのコマンドを理解し使い分けることで、効率的なシステム操作が可能になります。