F#

2025年6月12日 2025年6月12日

KoAN

F#とは

F#（エフシャープ）は、.NETプラットフォーム上で動作する関数型プログラミング言語であり、Microsoft Researchによって開発されました。オブジェクト指向、手続き型プログラミングもサポートしつつ、関数型プログラミングを強く推奨する言語です。データ分析、金融、機械学習、並列処理などに適しています。

F#の特徴

F#は、以下のような特徴を持つプログラミング言語です。

関数型プログラミング（FP）を基本とする: イミュータブルデータと高階関数を活用し、バグを減らせる。
静的型付け & 型推論: 強力な型システムにより、明示的な型指定を最小限に抑えつつ安全性を確保。
オブジェクト指向 & 手続き型サポート: 必要に応じて、.NETライブラリと統合できる。
.NETとの互換性: C#、VB.NET などの.NET言語と相互運用が可能。
並列処理・非同期処理のサポート: 並列処理を簡潔に記述可能。

F#の基本構造

以下に、F#プログラムの基本的な構造を示します。

基本的なF#プログラムの例

printfn "Hello, World!"

F#の基本構文

1. 変数とデータ型

F#では、let を使って変数を定義します。デフォルトでイミュータブルですが、mutable を使うと変更可能になります。

データ型の例

データ型	意味	例
int	整数型	let x: int = 10
float	浮動小数点数型	let pi: float = 3.1415
string	文字列型	let name: string = "Taro"
bool	真偽値型	let isActive: bool = true
list	リスト型	let numbers = [1; 2; 3; 4; 5]

2. 条件分岐（if文）

F#のif文は式として扱うことができ、値を返すことができます。

let score = 80
let grade = if score >= 90 then "A" elif score >= 70 then "B" else "C"
printfn "%s" grade  // 出力: B

3. 繰り返し処理（for, while, List.map）

F#では、forやwhileを利用できますが、関数型プログラミングではList.mapなどの高階関数をよく使います。

for ループの例

for i in 1..5 do
    printfn "i = %d" i

while ループの例

let mutable i = 0
while i < 5 do
    printfn "i = %d" i
    i <- i + 1

List.map の例

let numbers = [1; 2; 3; 4; 5]
let doubled = List.map (fun x -> x * 2) numbers
printfn "%A" doubled  // 出力: [2; 4; 6; 8; 10]

4. 関数

F#では、let を使って関数を定義します。

let add a b = a + b
printfn "%d" (add 3 4)  // 出力: 7

5. パターンマッチング

F#は、関数の引数にパターンマッチングを使用できます。

let checkNumber x =
    match x with
    | 0 -> "Zero"
    | 10 -> "Ten"
    | _ -> "Other"

printfn "%s" (checkNumber 10)  // 出力: Ten

6. クラスとオブジェクト

F#はオブジェクト指向プログラミング（OOP）もサポートしています。

type Person(name: string, age: int) =
    member this.Introduce() = printfn "私は %s です。年齢は %d 歳です。" name age

let p1 = Person("山田 太郎", 25)
p1.Introduce()