Scala

2025年6月10日 2025年6月10日

KoAN

Scalaとは

Scala（スカラ）は、2003年にMartin Oderskyによって設計された、オブジェクト指向プログラミング（OOP）と関数型プログラミング（FP）を融合したプログラミング言語です。JVM（Java Virtual Machine）上で動作し、Javaのエコシステムと互換性を持ちながら、より簡潔で表現力のあるコードを書くことができます。

Scalaの特徴

Scalaは、以下のような特徴を持つプログラミング言語です。

オブジェクト指向 + 関数型プログラミング: クラスベースのOOPと高階関数、イミュータビリティをサポート。
静的型付け: 強力な型推論と型安全性を提供。
Javaとの互換性: Javaライブラリをそのまま利用可能。
簡潔な構文: ボイラープレートコードが少なく、短いコードで表現可能。
並行・並列処理のサポート: Akkaフレームワークを活用し、分散システムの開発が容易。

Scalaの基本構造

以下に、Scalaプログラムの基本的な構造を示します。

基本的なScalaプログラムの例

object HelloWorld {
  def main(args: Array[String]): Unit = {
    println("Hello, World!")
  }
}

Scalaの基本構文

1. 変数とデータ型

Scalaでは、val を使うと変更不可（不変）の変数、var を使うと変更可能な変数を定義できます。

データ型の例

データ型	意味	例
Int	整数型	val x: Int = 10
Double	倍精度浮動小数点数型	val pi: Double = 3.1415
String	文字列型	val name: String = "Taro"
Boolean	真偽値型	val isActive: Boolean = true
List	リスト型	val numbers: List[Int] = List(1, 2, 3, 4, 5)

2. 条件分岐（if文）

Scalaのif文は式として扱うことができ、値を返すことができます。

val score = 80
val grade = if (score >= 90) "A" else if (score >= 70) "B" else "C"
println(grade)  // 出力: B

3. 繰り返し処理（for, while ループ）

Scalaでは、forやwhileを利用できます。

for ループの例

for (i <- 1 to 5) {
  println(s"i = $i")
}

while ループの例

var i = 0
while (i < 5) {
  println(s"i = $i")
  i += 1
}

4. 関数

Scalaでは、def を使って関数を定義します。

def add(a: Int, b: Int): Int = {
  a + b
}

println(add(3, 4))  // 出力: 7

5. 高階関数

関数を引数に取る、または関数を返す関数を「高階関数」と呼びます。

def applyTwice(f: Int => Int, x: Int): Int = f(f(x))

def double(x: Int): Int = x * 2

println(applyTwice(double, 3))  // 出力: 12

6. クラスとオブジェクト

Scalaはオブジェクト指向プログラミング（OOP）をサポートしており、クラスとオブジェクトを利用できます。

class Person(val name: String, val age: Int) {
  def introduce(): Unit = {
    println(s"私は $name です。年齢は $age 歳です。")
  }
}

val p1 = new Person("山田 太郎", 25)
p1.introduce()