手続き型言語

手続き型言語とは

手続き型言語（Procedural Programming Language）とは、プログラムを手続き（プロシージャ）や関数の集合として構成するプログラミングパラダイムの一つです。手続き型プログラムは、上から下へ順番に処理を実行することを基本とし、コードの再利用性を高めるために関数やサブルーチンを活用します。

手続き型言語の特徴

手続き型言語には、以下のような特徴があります。

• 逐次実行: コードは上から順に実行される。
• 関数（手続き）の活用: 同じ処理を何度も使えるように関数として定義する。
• グローバル変数とローカル変数: 変数のスコープを明確にし、適切に管理する。
• 制御構造の利用: 条件分岐（if、switch）、繰り返し（for、while）などの構造を持つ。
• 命令型プログラミング: プログラムの状態を変更しながら処理を進める。

代表的な手続き型言語

以下に、代表的な手続き型言語を紹介します。

1. C言語

C言語は、1972年に開発された汎用プログラミング言語であり、OSや組み込みシステム開発などで広く使用されています。

#include <stdio.h>

void greet() {
    printf("Hello, World!\n");
}

int main() {
    greet();
    return 0;
}

2. Pascal

Pascalは、1970年に開発された教育用のプログラミング言語であり、手続き型プログラミングの概念を学ぶのに適しています。

program HelloWorld;
begin
    writeln('Hello, World!');
end.

3. Fortran

Fortran（Formula Translation）は、1950年代に開発された科学技術計算向けの言語であり、数値計算や物理シミュレーションに使用されます。

PROGRAM Hello
    PRINT *, "Hello, World!"
END PROGRAM Hello

4. COBOL

COBOL（Common Business Oriented Language）は、1960年代に開発されたビジネス向けのプログラミング言語であり、大規模な業務システムに使用されます。

IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. HelloWorld.
PROCEDURE DIVISION.
    DISPLAY "Hello, World!".
    STOP RUN.

5. BASIC

BASIC（Beginner's All-purpose Symbolic Instruction Code）は、初心者向けに設計されたプログラミング言語であり、初期のPC向けプログラム開発に広く利用されました。

10 PRINT "Hello, World!"
20 END

手続き型言語のメリット

• シンプルで分かりやすい: 上から順に処理が実行されるため、理解しやすい。
• コードの再利用が可能: 関数や手続きを使うことで、重複するコードを削減できる。
• 汎用性が高い: 組み込みシステム、業務アプリケーション、科学技術計算など、幅広い用途に適用できる。

手続き型言語のデメリット

• 大規模開発には不向き: コードが増えると管理が難しくなる。
• オブジェクト指向に比べて拡張性が低い: クラスやオブジェクトを活用できないため、複雑なデータ構造の管理が難しい。

まとめ

手続き型言語は、コードの流れが明確で学習しやすく、小～中規模のシステム開発に適しています。C言語やFortranのような手続き型言語は現在でも広く利用されており、特定の用途では非常に有効な選択肢となります。