sxhkd:タイル型WMユーザー必見の軽量ホットキーデーモン

目次
sxhkd(Simple X HotKey Daemon)についての概要と詳細
sxhkdとは
sxhkd
(Simple X HotKey Daemon)は、X11環境で動作する軽量なホットキー管理デーモンです。主にbspwm
やherbstluftwm
などのタイル型ウィンドウマネージャと組み合わせて使われ、キーボードショートカットからコマンドを実行する仕組みを提供します。設定は1つのシンプルなテキストファイルに書かれ、Xmodmapやxbindkeysよりも直感的かつ柔軟な運用が可能です。
主な用途
- ウィンドウ操作やアプリ起動のショートカット作成
- 音量調整や画面輝度のキーバインド設定
- タイル型WMと連携したレイアウト管理
- 任意のシェルコマンドをホットキーに割り当て
特徴
- 非常に軽量で高速
- 設定ファイルが簡潔・柔軟・再読込可能
- コマンドの前後にプリフィックスキーやモードの切替も可能
- 複雑な修飾キーの組み合わせにも対応
インストール方法
Debian/Ubuntu系
$ sudo apt install sxhkd
Fedora系
$ sudo dnf install sxhkd
基本的な構成ファイル(~/.config/sxhkd/sxhkdrc)
sxhkd の設定ファイルはシンプルな「ホットキー → 実行コマンド」のペアで構成されます。
# アプリ起動例
super + Return
alacritty
super + b
firefox
# ウィンドウ移動例(bspwm向け)
super + {h,j,k,l}
bspc node -f {west,south,north,east}
# 音量調整
XF86AudioRaiseVolume
pamixer -i 5
XF86AudioLowerVolume
pamixer -d 5
XF86AudioMute
pamixer -t
構文の特徴
super
,alt
,control
などの修飾キーを記述可能{a,b,c}
形式で複数キーの一括指定が可能- 行頭がキー定義、次のインデント付き行が実行コマンド
起動方法
セッションやウィンドウマネージャの起動スクリプト(例:~/.xinitrc
や~/.config/bspwm/bspwmrc
)に以下を記述します:
sxhkd &
設定の再読み込み
設定ファイルを変更した後は、次のコマンドで再読込できます:
pkill -USR1 -x sxhkd
よく使われる活用例
- プリフィックスキー対応:
super + ctrl + {h,j,k,l}
など - モード切替式キーバインド: sxhkdを拡張して一時的に別モードへ移行可能
- メディアキー制御: 音量・輝度・再生/一時停止など
- クリップボード操作: xclipやwl-copy/wl-pasteと併用
他ツールとの違い
ツール | 特徴 |
---|---|
sxhkd | 軽量・設定がシンプル。タイル型WMに最適 |
xbindkeys | GUIツールあり、設定がやや煩雑 |
xmodmap | 低レベルのキーリマッピング。用途が異なる |
まとめ
sxhkd
は、軽量なX11環境やタイル型ウィンドウマネージャと非常に相性の良いホットキーデーモンです。設定は非常にシンプルでありながら、複雑なキーバインドやモード切替も可能です。最小限のリソースで最大限の操作性を引き出す、Linux上級者にとっては必携のツールと言えるでしょう。