ユーザ作成コマンド「useradd」
KoAN
目次
useraddコマンドの概要と説明
はじめに
Linux環境において、ユーザーアカウントを作成するためのコマンドが useradd です。システム管理者が新しいユーザーを追加する際に使用され、指定されたオプションを基にユーザー情報が設定されます。useraddコマンドは、/etc/passwdや/etc/shadowなどのユーザー情報ファイルを更新し、新しいユーザーアカウントをシステムに追加します。この記事では、useraddコマンドの基本的な使用方法と、そのオプションについて説明します。
useraddコマンドとは？
useradd は、新しいユーザーをシステムに追加するためのコマンドです。このコマンドを使用することで、ユーザーアカウントの作成だけでなく、ホームディレクトリやシェルの指定、パスワード有効期限など、さまざまなユーザー情報を設定することが可能です。以下のファイルが更新されます。
- /etc/passwd: ユーザーのアカウント情報が記録されます。
- /etc/shadow: パスワード関連の情報が保存されます。
- /etc/group: グループ情報が記録されます。
- /etc/gshadow: グループのパスワード関連の情報が保存されます。
useraddの主な用途
useraddコマンドの主な役割は、以下の通りです。
- 新しいユーザーアカウントの作成
- ホームディレクトリの作成と設定
- デフォルトのシェルの指定
- ユーザーのグループへの追加
- パスワード有効期限の設定
useraddコマンドの基本オプション
useraddコマンドには、さまざまなオプションが用意されています。以下に、よく使用される主要なオプションを紹介します。
- -d ディレクトリ: ユーザーのホームディレクトリを指定します。指定しない場合、デフォルトのディレクトリに作成されます。
- -m: 指定されたホームディレクトリを作成します。通常、useraddでユーザーを作成するときにはこのオプションを使用します。
- -s シェル: 新しいユーザーがログインする際に使用するデフォルトのシェルを指定します。
- -g グループ: ユーザーを特定のプライマリグループに追加します。
- -G 追加グループ: ユーザーを追加のグループに所属させます。
- -e 日付: アカウントの有効期限を設定します（YYYY-MM-DD形式）。
- -f 日数: アカウントのパスワードが期限切れになった後、無効になるまでの日数を指定します。
useraddコマンドの使用例
実際の使用例をいくつか紹介します。
1. 新しいユーザーを追加する
単純に新しいユーザーアカウントを追加するコマンドは以下の通りです。
# useradd <username>このコマンドは、指定されたユーザー名のアカウントを作成し、デフォルトの設定に従ってユーザー情報を登録します。
2. ホームディレクトリを指定してユーザーを作成する
ホームディレクトリを指定してユーザーを追加する場合は、以下のようにします。
# useradd -d /home/customdir -m usernameこのコマンドでは、/home/customdir というディレクトリにホームディレクトリを作成して、ユーザーアカウントが登録されます。
3. デフォルトのシェルを指定してユーザーを作成する
ユーザーのデフォルトのシェルを設定したい場合は、以下のコマンドを使います。
# useradd -s /bin/bash usernameこのコマンドでは、新しいユーザーがログインする際に /bin/bash シェルが使用されます。
4. グループにユーザーを追加する
ユーザーを特定のグループに追加したい場合は、以下のように指定します。
# useradd -g groupname -G additionalgroup usernameこのコマンドでは、ユーザーがプライマリグループ groupname に所属し、追加グループ additionalgroup にも追加されます。
まとめ
useraddコマンドは、Linuxシステム管理者にとって非常に重要なツールです。ユーザーアカウントの作成、管理、設定を効率的に行うことができるため、大規模なシステムでのユーザー管理にも適しています。特に、ホームディレクトリやシェル、グループ設定など、ユーザーごとに詳細な設定が可能であり、セキュリティと利便性を両立させることができます。Linuxシステムを管理する際には、useraddコマンドの活用が欠かせません。
