スナップショットの種類
目次
スナップショットの種類(ファイルシステムスナップショット・ボリューム・仮想マシンなど)について
1. ファイルシステムスナップショット
ファイルシステム全体の状態を保存するスナップショットです。ファイルシステムのスナップショットは、通常、特定の時点でのデータの整合性を確保し、将来データを復元できるようにします。よく使われる技術やシステムには以下のものがあります:
- ZFSスナップショット: ZFSファイルシステムの特定の時点をキャプチャし、読み取り専用で保存することができます。低コストで差分スナップショットも作成可能です。
- Btrfsスナップショット: Btrfsもスナップショット機能を提供しており、ファイルシステム全体やサブボリュームをキャプチャします。
2. ボリュームスナップショット
ストレージボリューム全体の状態をスナップショットとして保存する技術です。これにより、ボリューム全体が特定の時点の状態に戻せます。
- LVM(Logical Volume Manager)スナップショット: Linuxでよく使われるLVMでは、ボリューム全体のスナップショットを作成することができます。
- クラウドのボリュームスナップショット: AWSのEBSスナップショットやAzureのディスクスナップショットなど、クラウドサービスプロバイダもボリューム単位でのスナップショットをサポートしています。
3. 仮想マシンスナップショット
仮想マシン(VM)の状態を保存するスナップショットです。仮想マシンのスナップショットでは、メモリ、CPU、ディスクの状態をキャプチャし、VMをスナップショットが取られた時点に復元することが可能です。
- VMwareのスナップショット: 仮想マシンのメモリやディスクの状態を保存する機能があります。
- KVM/QEMUのスナップショット: LinuxのKVMやQEMUなどの仮想化技術でもスナップショットをサポートしています。
4. データベーススナップショット
データベースの状態を特定の時点でキャプチャするスナップショットです。データベースが通常稼働している状態で、データの整合性を維持しつつバックアップが可能です。
- SQL Serverのデータベーススナップショット: Microsoft SQL Serverでは、データベースの特定の時点をキャプチャし、読み取り専用のスナップショットを作成できます。
- PostgreSQLのスナップショット: PostgreSQLでは、ストレージレベルのスナップショットやバックアップ機能を利用して特定の時点を保存することが可能です。
5. クラウドサービスのスナップショット
クラウドプロバイダが提供するスナップショット機能で、クラウド上のリソース(例えば、ディスクやVM)の状態を保存します。
- AWS EBSスナップショット: Amazon Web Servicesで使用されるElastic Block Store (EBS) のスナップショット機能。
- Google Cloud Persistent Diskスナップショット: Google CloudのPersistent Diskをスナップショットで保存し、必要に応じて復元します。
6. メモリスナップショット
メモリ内のデータの状態を保存するスナップショットです。特にデバッグや解析の際に使われます。
- Crash Dump: システムクラッシュ時にメモリ内容を保存するもの。
- プロセスメモリスナップショット: プロセスのメモリ使用状況を保存してデバッグに利用する技術。
7. アプリケーションレベルのスナップショット
特定のアプリケーションが提供するスナップショット機能。これにより、アプリケーションの状態を保存し、後でその時点に復元することができます。
- 特定のアプリケーションのデータをバックアップや復元する際に利用します。
まとめ
スナップショットは、システムやデータの状態を特定の時点で保存し、後でその状態に復元するための強力な技術です。さまざまなスナップショットの種類があり、ファイルシステム、ボリューム、仮想マシン、データベースなど、用途に応じて選択されます。特にクラウドサービスや仮想化技術の普及により、スナップショットは柔軟なバックアップ・リストア手法として広く採用されています。各スナップショット技術の特徴を理解し、適切な場面で活用することで、データの保護やシステムの安定運用に大いに役立つでしょう。