~/.bashrc:シェル起動時に読み込まれれ関数・エイリアス・環境変数を定義

目次
~/.bashrcについての概要と詳細
~/.bashrcとは
~/.bashrc は、Bashシェルの対話的な非ログインシェルが起動されたときに実行される設定ファイルです。
主にエイリアスや関数、プロンプトのカスタマイズ、履歴設定などを記述し、ユーザーが使いやすいシェル環境を構築するために利用されます。
読み込まれるタイミング
~/.bashrc は、以下のような場面で自動的に実行されます:
- 端末エミュレータ(例:GNOME Terminal, Konsoleなど)を起動したとき
bashコマンドを実行してシェルを開いたとき(非ログイン)~/.bash_profileなどから明示的に読み込んだとき
主な用途
- エイリアスの定義: よく使うコマンドを短縮形で呼び出せるようにする
- 関数の定義: 繰り返し使う処理を関数としてまとめる
- プロンプト(PS1)のカスタマイズ: 色や情報を加えて使いやすく
- 履歴設定: コマンド履歴の保存件数や重複の除去
- パスの追加: ユーザー独自のディレクトリをPATHに含める
内容の例
# ~/.bashrc の例
# エイリアス定義
alias ll='ls -alF'
alias gs='git status'
# PATHの追加
export PATH="$HOME/bin:$PATH"
# プロンプトのカスタマイズ
PS1='\u@\h:\w\$ '
# コマンド履歴の設定
HISTSIZE=1000
HISTCONTROL=ignoredups:erasedups
# カラフルなls出力を有効に
export LS_OPTIONS='--color=auto'
eval "`dircolors`"
alias ls='ls $LS_OPTIONS'.bashrcと他のファイルとの関係
| ファイル | 対象 | 読み込みタイミング |
|---|---|---|
~/.bashrc | Bash(非ログインシェル) | 端末起動・新しいシェルセッション |
~/.bash_profile | Bash(ログインシェル) | ログイン時、.bashrc を明示的に呼び出す |
/etc/bash.bashrc | 全ユーザー共通 | 非ログインシェル起動時に読み込まれる |
よくある設定例
- 環境変数の設定:
EDITOR,PAGER,PATHなど - ターミナルの色付け:
LS_COLORS,PS1カスタマイズ - gitプロンプト拡張: Gitブランチ情報をプロンプトに表示
注意点
~/.bashrcは非ログインシェル専用のため、ログイン時に反映させるには~/.bash_profileや~/.profileで読み込むようにします。- 処理が重い設定を記述すると、端末の起動速度に影響することがあります。
- 複雑なスクリプトは別ファイルに分けて
sourceするのが望ましいです。
まとめ
~/.bashrc は、非ログインシェルで使用されるBashの初期化ファイルであり、エイリアス・関数・プロンプトなどのカスタマイズに最適です。
日常的にターミナルを使用するユーザーにとって、このファイルを整えることは作業効率の向上に直結します。ログインシェルとの連携も意識しながら活用することで、より快適なCLI環境を構築できます。





