lynx:最古にして最強、信頼のテキストブラウザ

lynx

lynxコマンドについての概要と詳細

lynxとは

lynx は、世界最古級のテキストベースのWebブラウザであり、CUI(キャラクタユーザインタフェース)環境でWebページを閲覧できるツールです。
GUI環境がないサーバや、SSH環境でもウェブページをテキストで確認できるため、システム管理者やサーバ運用者にとって非常に重宝されます。1992年に登場し、現在もメンテナンスが続いています。

主な特徴

  • 端末上でWebページを閲覧可能
  • HTMLのレンダリング結果をテキストで表示
  • 非常に軽量で高速な動作
  • SSL/TLS(https)対応
  • キーボード操作によるナビゲーション
  • ブックマーク、Cookie対応、フォームの送信も可能

インストール方法

Debian/Ubuntu系
$ sudo apt install lynx

Fedora系
$ sudo dnf install lynx

基本的な使い方

ウェブページを表示

$ lynx https://example.com

ローカルHTMLファイルを表示

$ lynx ./file.html

ヘルプを表示

$ lynx -help

ナビゲーション操作

  • ↑/↓:リンク間の移動
  • →:リンクを開く
  • ←:戻る
  • G:URLを直接入力
  • P:印刷(テキストとして保存)
  • Q:終了

便利なオプション

  • -dump:標準出力にページを表示(非インタラクティブモード)
  • -nolist:リンクのリスト番号を表示しない
  • -width=xx:表示幅を指定

例:Webページをプレーンテキストとして保存

$ lynx -dump https://example.com > page.txt

出力例(-dump使用時)

Example Domain

This domain is for use in illustrative examples in documents.
More information...

   https://www.iana.org/domains/example

w3mやlinksとの違い

項目lynxw3mlinks
リリース年199219951999
HTML表示テキストテキスト+画像(対応ターミナル)テキスト
インターフェース単純自然な整形メニュー表示あり
画像表示不可一部可不可

活用例・ユースケース

  • GUIが使えないサーバでWebを確認
  • 軽量で広告のない純粋な情報取得
  • スクリプトでWebページの内容をテキスト処理
  • ローカルHTMLドキュメントの確認

まとめ

lynx は、軽量・高速・堅牢なテキストブラウザであり、古くから多くのLinuxユーザーやサーバ管理者に愛用されてきました。
GUIの使えない環境や、SSH端末からの簡易的なWeb確認において、今でも十分に実用的なツールです。
テキストベースでウェブにアクセスする必要がある場面では、lynx は最も信頼できる選択肢の一つです。