RAID01(RAID0+1)
目次
RAID 01(RAID 0+1)の概要と説明
RAID 01(RAID 0+1)は、RAID 0(ストライピング)とRAID 1(ミラーリング)の両方の技術を組み合わせたRAID構成です。まずRAID 0でデータを複数のディスクに分散して保存し、その後にRAID 1でそれぞれのストライピングされたディスクセットをミラーリングします。この構成により、ディスクのパフォーマンスとデータの冗長性を両立させることが可能です。
RAID 01は、高速なディスクアクセスが求められる環境で使用され、データの冗長性も確保されますが、RAID 10と比べると耐障害性が劣るという特性があります。
RAID 01の特徴
- ストライピングとミラーリングの組み合わせ: RAID 01では、まずRAID 0でデータをストライピングし、その後、RAID 1でそのストライピングされたデータをミラーリングします。
- 高速なパフォーマンス: RAID 0のストライピングにより、データの読み書き速度が向上します。
- データの冗長性: RAID 1のミラーリングにより、ディスク障害時にもデータが保護されます。1つのディスクが故障しても、ミラーされたもう1つのディスクにデータが残ります。
- ディスク効率: ミラーリングによって冗長性を確保するため、ディスク容量の50%がデータの複製に使用されます。
- 故障時のリスク: RAID 01はRAID 10と比べると耐障害性が低く、ストライピングされたディスクセットのいずれかのディスクが故障すると、セット全体が無効になるリスクがあります。
RAID 01の利点
- 高速な読み書きパフォーマンス: RAID 0のストライピングによるデータの分散保存で、複数のディスクから同時に読み書きが行われるため、I/O性能が向上します。
- 冗長性によるデータ保護: RAID 1のミラーリングにより、1つのディスクが故障してもデータが失われないため、一定の耐障害性が確保されます。
RAID 01の欠点
- 耐障害性の制限: RAID 01はストライピングされたディスクセット全体をミラーリングするため、ストライピングされたどちらかのセットにディスク障害が発生すると、セット全体が無効になります。RAID 10と比べると、複数のディスクが故障した場合のデータ保護能力が低いです。
- ディスク効率の低下: ミラーリングにより、使用可能なディスク容量は半分になります。つまり、8台のディスクを使用している場合、データを保存できるのは4台分の容量だけです。
RAID 01とRAID 10の違い
RAID 01(RAID 0+1)とRAID 10(RAID 1+0)はどちらも、RAID 0とRAID 1を組み合わせた構成ですが、データの配置方法や耐障害性において大きな違いがあります。
- RAID 01(RAID 0+1): 最初にRAID 0でストライピングを行い、その後にRAID 1でミラーリングを行います。RAID 01では、ストライピングされたディスクセットの1つに障害が発生すると、セット全体が失われるリスクがあります。故障したセットが無効になってしまうため、複数のディスクが故障するとデータの復旧が難しくなります。
- RAID 10(RAID 1+0): RAID 10では、最初にRAID 1でディスクをミラーリングし、その後にRAID 0でストライピングを行います。RAID 10の大きな利点は、1つのミラーセット内で1台のディスクが故障しても、他のセットのデータには影響がないため、冗長性が高い点です。複数のディスクが故障しても、同じミラーセット内でなければデータの復旧が可能です。
RAID 01とRAID 10の耐障害性の違い
RAID 01では、RAID 0でストライピングされたセット全体をミラーリングします。そのため、ストライピングされたどちらかのセットにディスク障害が発生すると、セット全体が失われるリスクがあります。RAID 10の場合、各ディスクがまずミラーリングされてからストライピングされるため、1台のディスクが故障しても他のセットは正常に動作し続けることができ、より高い耐障害性を持っています。
RAID 01の用途
RAID 01は、読み書きのパフォーマンスを重視しつつ、ある程度のデータ保護も必要な場合に適しています。特に、パフォーマンスを優先するシステムやサーバーに向いていますが、RAID 10と比較すると耐障害性が劣るため、重要なデータの保護を優先する場合にはRAID 10が好まれることが多いです。
まとめ
RAID 01(RAID 0+1)は、ストライピングによる高速なパフォーマンスとミラーリングによるデータ保護を提供するRAID構成です。しかし、RAID 10と比較すると耐障害性が低く、複数のディスクが故障した場合にデータの完全な保護が難しくなります。使用するシステムのパフォーマンス要求やデータ保護の重要度に応じて、RAID 01とRAID 10のどちらを選択するかを慎重に検討する必要があります。