Syncthing:P2Pで自動フォルダ同期

目次
Syncthing(シンクシング)についての概要と詳細
Syncthingとは
Syncthing
は、オープンソースのP2P(ピア・ツー・ピア)ファイル同期ソフトウェアです。クラウドサーバーを介さず、インターネット経由でも直接デバイス同士でファイルを同期することができます。Windows、Linux、macOS、Androidなどマルチプラットフォームに対応しており、自前クラウドや安全な家庭内バックアップとしても活用されています。
主な特徴
- 中央サーバー不要:完全なP2P通信で、クラウド不要
- 暗号化通信:TLSによる転送暗号化と署名で安全性を確保
- リアルタイム同期:ファイル変更を検出し即座に反映
- クロスプラットフォーム:Linux/Windows/macOS/Androidで動作
- Web GUIによる操作:ブラウザから設定・管理が可能
- 外部IP不要:UPnPや中継サーバでNAT越えにも対応
インストール方法
Debian/Ubuntu系
$ sudo apt install syncthing
Fedora系
$ sudo dnf install syncthing
初期設定と起動
$ syncthing
初回起動後、ローカルのWebブラウザで以下のURLを開くとGUIにアクセスできます:http://localhost:8384
基本的な使い方の流れ
- 各端末でSyncthingを起動
- GUI上で「デバイスID」を交換し、信頼する端末同士として追加
- 同期したいフォルダを共有設定
- 両端末で「フォルダを承認」すれば同期開始
活用例
- 家庭内PCとノートPCのドキュメントフォルダを自動同期
- スマートフォンとデスクトップ間で写真を無線同期
- VPNなしで異拠点のサーバー間同期
- 会社と自宅で同一プロジェクトフォルダをミラーリング
rsyncやクラウドと何が違う?
ツール | 特徴 |
---|---|
Syncthing | 自動・双方向・P2P同期。暗号化通信。GUI付き。 |
rsync | 一方向同期。手動やcronでの実行が主。 |
Dropboxなどのクラウド | 中央サーバに依存。容量制限・プライバシー懸念あり。 |
セキュリティとプライバシー
Syncthingでは、すべての通信がTLSで暗号化され、各端末は一意のデバイスIDで管理されます。すべての接続は明示的に「承認」しなければならないため、外部から勝手に同期されることはありません。クラウドを通さないため、プライバシー保護にも非常に優れています。
まとめ
Syncthing
は、自己ホスト型で安全・自動・リアルタイムなファイル同期を実現する、非常に強力なオープンソースツールです。プライベートクラウド環境の構築や複数端末間のファイル共有に最適で、個人利用から小規模チームまで幅広く活用できます。
中央サーバ不要で、データの場所をコントロールできるため、セキュアなバックアップ&同期環境を構築したい方には特におすすめのツールです。