TigerVNC:王道VNC、堅牢&安心のデスクトップ転送

tigervnc

TigerVNCについての概要と詳細な説明

TigerVNCとは

TigerVNCは、高性能でセキュアなVNC(Virtual Network Computing)ソリューションの一つで、Linux・Windows・macOSなどクロスプラットフォームで利用できるリモートデスクトップツールです。もともとはRealVNCやTightVNCをベースに開発され、高速かつセキュアな通信に重点を置いています。

特にLinux環境では、VNCサーバとビューアの両方を提供し、GUIセッションをネットワーク越しに共有・制御できます。X.OrgやXvncとの連携もスムーズで、サーバ用途やヘッドレスマシン管理などにも適しています。

主な特徴

  • クロスプラットフォーム対応:Linux, Windows, macOSで利用可能
  • VNCプロトコル互換性:RealVNCやTightVNCとの接続も可
  • 高速描画と圧縮:JPEG圧縮やZlibによる最適化
  • セキュアな認証:PAM認証やx509証明書対応
  • VNCサーバとVNCビューアを同梱:一式揃った環境が構築可能

インストール方法

Debian/Ubuntu系
$ sudo apt install tigervnc-standalone-server tigervnc-viewer

Fedora系
$ sudo dnf install tigervnc-server tigervnc

基本的な使い方

1. 初回のVNCパスワード設定

$ vncpasswd

2. VNCサーバの起動

$ vncserver :1

デフォルトで~/.vnc/xstartupスクリプトが読み込まれ、仮想Xセッションが生成されます(例:ポート5901)。

3. リモート接続

$ vncviewer 192.168.1.100:1

別のクライアントマシンからTigerVNC Viewerを用いて接続します。

4. VNCサーバの停止

$ vncserver -kill :1

接続時のセキュリティ強化

  • SSHトンネルを使って安全な通信が可能
  • VNCサーバの設定でx509証明書や強固な認証方式に対応
  • ~/.vnc/configによる高度な設定管理も可能

VNCとRDPの違い

項目VNC(TigerVNC)RDP
プロトコルピクセルベースコマンド/オブジェクトベース
転送効率やや低い高い
互換性クロスプラットフォーム主にWindows向け
GUI表示の仕組み実際の画面をそのまま転送セッションを仮想描画

活用シーン

  • GUI環境がないLinuxサーバへのリモート接続
  • X11セッションを維持したまま遠隔作業
  • 複数ユーザーの同時接続(仮想セッション)
  • 教育やサポート時の画面共有

まとめ

TigerVNCは、高速・高機能・セキュアなVNCソリューションとして、LinuxやWindowsのGUI操作をネットワーク越しに可能にする強力なツールです。特に軽量な環境でも安定して動作し、GUIによるメンテナンスや教育、遠隔サポートなどに幅広く活用できます。SSHトンネルなどと組み合わせることで、より安全な運用も実現できます。