/etc/passwd:ユーザーアカウント情報(UID, ホームディレクトリなど)

目次
/etc/passwdについての概要と詳細
/etc/passwdとは
/etc/passwd は、LinuxやUNIXシステムにおけるユーザーアカウント情報を管理するためのテキストファイルです。ユーザー名、UID(ユーザーID)、GID(グループID)、ホームディレクトリ、ログインシェルなどの情報が格納されており、システムに存在するすべてのユーザーに関する基本情報を確認できます。
/etc/passwdの構成
各ユーザー情報は1行で記述され、7つのフィールドに「:」で区切られています。
ユーザー名:パスワード:UID:GID:コメント:ホームディレクトリ:ログインシェル
例:
koan:x:1000:1000:KOAN User:/home/mtf:/bin/bash各フィールドの意味
- ユーザー名: ログイン時に使用するアカウント名。
- パスワード: かつては暗号化されたパスワードが保存されていましたが、現在はセキュリティ上の理由から
xとなっており、実際のパスワードは/etc/shadowに保存されます。 - UID: ユーザー識別番号(例:rootは0、通常ユーザーは1000番以降)。
- GID: プライマリグループの識別番号。
- コメント: 通常はユーザーのフルネームなどの説明(GECOSフィールド)。
- ホームディレクトリ: ログイン時の初期ディレクトリ。
- ログインシェル: ログイン時に起動されるシェル(例:/bin/bash)。
確認方法
/etc/passwd の内容は以下のコマンドで表示できます
$ cat /etc/passwd
$ less /etc/passwd
$ grep mtf /etc/passwd代表的なユーザーエントリ
root:x:0:0:root:/root:/bin/bash
nobody:x:65534:65534:nobody:/nonexistent:/usr/sbin/nologinroot:システム管理者アカウント(UID 0)。nobody:最小権限で実行するための汎用ユーザー。
注意点
/etc/passwdは すべてのユーザーが読み取り可能なファイルです(644権限)。- ファイルを手動で編集する際は
vipwコマンドの使用が推奨されます(同時編集による競合を防ぐ)。 - UIDやGIDの重複、誤設定はシステムの動作に影響を及ぼす可能性があります。
まとめ
/etc/passwd は、ユーザーアカウントの基本情報を管理するための重要な設定ファイルです。ログイン処理やユーザー識別の基本となるため、構成やフォーマットを正しく理解し、管理上の注意点を守ることが安定したシステム運用につながります。






