/etc/environment:環境変数を定義する設定ファイル(全ユーザ)

目次
/etc/environmentについての概要と詳細
/etc/environmentとは
/etc/environment は、Linuxシステム全体で利用される環境変数を一括して定義するための設定ファイルです。ユーザーのログインシェルやGUIセッションを問わず、すべてのユーザーとプロセスに共通の環境変数を設定できます。
ファイルの特徴と用途
- シェルの種類やログイン方式に依存せず、全セッション共通で環境変数を適用
- 変数の定義は
KEY=値のシンプルな形式(exportなどは不要) - システム全体に影響するため、PATHやLANGなどグローバルな変数の設定に最適
記述例
# /etc/environment の例
PATH="/usr/local/sbin:/usr/local/bin:/usr/sbin:/usr/bin:/sbin:/bin"
LANG="ja_JP.UTF-8"
EDITOR="vim"主な役割
- PATH、LANGなど、全ユーザー共通の環境変数設定
- デスクトップ環境やGUIログイン時にも有効
- 一部のサービスやプロセスにもグローバル変数として反映
注意点
- export文やシェルスクリプトの構文は使用不可(=で変数を定義するだけ)
- 編集にはroot権限が必要
- 編集後、設定を有効にするにはログアウト・再ログイン、またはシステム再起動が必要な場合がある
- 誤った設定で全システムに影響するため編集前にバックアップ推奨
他の環境変数設定ファイルとの違い
| ファイル | 適用範囲 | 特徴 |
|---|---|---|
/etc/environment | 全ユーザー・全セッション | シンプルなKEY=値形式。全プロセスに影響 |
/etc/profile | ログインシェル | シェルスクリプト構文可。主にシェル環境向け |
~/.profile | ユーザー単位・ログイン時 | 個人環境に限定した設定 |
まとめ
/etc/environment は、Linuxシステム全体に共通する環境変数を簡潔に設定できるファイルです。シンプルな書式で運用できる反面、影響範囲も広いため、編集や運用には十分注意しましょう。






