progress:ファイルコピー・移動等の進行状況(進捗)を表示するコマンド

目次
progressコマンドについての概要と詳細
progressコマンドとは
progress
コマンドは、Linuxシステムで実行中のcp
、mv
、dd
、tar
などのファイルコピー・移動・バックアップ処理の進行状況をリアルタイムで表示するためのツールです。標準のコマンドでは進捗が表示されないことが多いため、progress
を使うことで作業の完了までの目安を視覚的に把握でき、効率的な作業監視が可能になります。
主な用途
cp
やmv
で大量のファイルや大容量ファイルをコピー・移動している最中の進捗確認dd
によるディスクイメージ作成時の状態把握- バックアップ処理中(
tar
、cat
など)にどの程度完了しているかを知る - スクリプトやバッチ処理の進行度表示
主な特徴
- リアルタイム表示:進捗率(%)、処理済みサイズ、スピード、残り時間を画面に表示
- 自動検出:現在実行中の対象プロセスを自動で検出し監視
- 軽量で高速:バックグラウンド処理にも影響を与えず、システム負荷が非常に少ない
- シンプルなUI:わかりやすいテキストベースのプログレスバーで視認性が高い
基本的な使い方
progress
- 何もオプションを付けずに実行するだけで、現在の
cp
、mv
、dd
などの進捗が一覧表示されます。
主なオプション一覧
オプション | 説明 |
---|---|
-c | 常に画面をクリアして再描画(画面全体で更新) |
-m | マシンリーダブル出力(CSV形式などでログ出力向け) |
-q | 静かなモード。見やすく最小限の情報だけ表示 |
-w | 何も対象プロセスがない場合、終了せず監視継続 |
-t | 出力にタイムスタンプを追加 |
--help | ヘルプ情報を表示 |
インストール方法
RPM系(RedHat, AlmaLinux, Fedoraなど)
$ sudo dnf install progress
Debian系(Debian, Ubuntuなど)
$ sudo apt install progress
使用例
# 1GBのファイルをコピーしながら進行状況を監視
$ cp largefile.iso /mnt/usb/ &
$ progress
progressの活用ポイント
- GUIのないサーバー環境で、長時間のコピーやバックアップ作業を把握できる
- バックグラウンドで動作するプロセスにも対応可能
- 他の監視コマンド(
watch
など)と組み合わせてスクリプト化も可能
まとめ
progress
コマンドは、標準コマンドで非表示な進捗情報を明示化する便利なツールです。コピーやバックアップ処理の状態をひと目で把握で