プロセス管理コマンド「btop」

目次
btopについての概要と詳細
btopとは
btopは、LinuxやUNIX系OS、Windows、macOSなどで利用できる、最新世代のインタラクティブなプロセス・リソース監視ツールです。従来のtop
やhtop
の進化版として2021年に登場し、極めて見やすく美しいグラフィカルインターフェースと高速なレスポンスが特徴です。CPU、メモリ、ディスク、ネットワークなどの主要リソースをカラーグラフとアイコンで分かりやすく表示します。
主な特徴
- 美しいグラフィカルUI:端末内で動作するとは思えないほど視認性の高いカラーインターフェース。タイル型レイアウトやアニメーション効果もあり、視覚的な情報量が非常に多い。
- 総合リソースモニタリング:CPU、メモリ、スワップ、ディスクI/O、ネットワーク通信などをリアルタイムで同時にグラフ表示。
- インタラクティブな操作性:キーボードやマウスで直感的に操作可能。リソースごとの並び替えやプロセスのフィルタも簡単。
- 多彩なカスタマイズ:カラーテーマの変更、表示項目の選択、更新間隔の調整などができ、好みに合わせたモニタリング環境を作れる。
- プロセス管理機能:プロセスのkill(終了)、優先度変更(renice)、詳細情報の表示など、管理コマンドもすべてインタラクティブに実行。
- クロスプラットフォーム対応:Linux、FreeBSD、macOS、Windows(WSL含む)など幅広い環境で動作。
- 軽量・高速:バイナリひとつで動作し、低スペックマシンでも快適なレスポンス。
画面構成・表示内容
- 左上:CPU使用率(コアごと・合計)のグラフ表示
- 左下:メモリ・スワップ使用量のグラフ表示
- 右上:プロセス一覧(PID、名前、ユーザー、CPU/メモリ使用率、状態など)
- 右下:ディスクI/O・ネットワークトラフィックのリアルタイムグラフ
- 上部/下部:ヘルプや操作キーガイド、システム情報、カスタマイズ設定
主な操作キー(デフォルト)
- Esc:メインメニューまたはサブメニューに戻る
- Tab:各パネル間のフォーカス切り替え
- 上下左右矢印:リストやオプションの移動
- Enter:選択項目の実行または詳細表示
- F2:オプション/設定画面
- F10またはq:終了
- k:プロセスのkill
- r:プロセスの優先度変更(renice)
- /:プロセス名でのフィルタ検索
インストール方法
- Debian/Ubuntu系:
sudo apt install btop
- RedHat/CentOS系:
sudo dnf install btop
またはsudo yum install btop
- Mac:
brew install btop
- Arch系:
sudo pacman -S btop
- その他: 公式GitHubリポジトリからバイナリまたはソースをダウンロード
btopの活用例とメリット
- サーバやデスクトップPCの負荷やリソース消費状況を一目で確認
- 高負荷プロセスや異常なI/O・ネットワーク通信の早期発見
- カラフルなグラフやアニメーションでリソース変化を直感的に把握
- プロセス管理やリソース調整を対話的に行える
- 複数マシンやマルチコア・仮想環境でも安定した動作
- 美しく快適なUIで、モニタリングのストレスが少ない
他のプロセス監視コマンド(top/htop等)との違い
- 視覚的な情報量・デザイン性が圧倒的に高い
- ディスクI/Oやネットワーク通信も標準でグラフ表示(htopは追加設定が必要)
- インターフェースがモダンで使いやすい
- 多くの環境でバイナリひとつで動作し、導入が簡単
設定・カスタマイズ
- F2キーで各種設定メニュー(カラーテーマ、表示項目、更新間隔、通知など)にアクセス可能
- 設定はホームディレクトリの
~/.config/btop/
以下に保存され、再起動後も反映 - 複数のカラーテーマから好みの配色を選択できる
注意点
- 端末の種類やフォントによってはグラフィックの一部が崩れる場合あり(対応端末推奨)
- システム情報の詳細取得やプロセス管理にはroot権限が必要な場合あり
まとめ
btopは、現代のシステム管理や開発現場で求められる「美しさ」「使いやすさ」「多機能性」を兼ね備えた最先端のプロセス・リソース監視ツールです。
見やすいグラフィック表示と多機能な管理機能で、日々のシステム運用やトラブル対応を大幅に効率化してくれます。
topやhtopに満足できない方にもぜひ一度試してほしい、おすすめのモダンな監視コマンドです。