ranger(ファイルマネージャ)

目次
rangerとは
ranger(レンジャー)は、LinuxおよびUnix系システム向けのCUI(キャラクタユーザインターフェース)ファイルマネージャで、Viライクなキーバインドを採用したシンプルかつ強力なツールです。ターミナル上で動作し、軽量かつ高速にファイル管理を行うことができます。
rangerの特徴
rangerは、以下のような特徴を持つファイルマネージャです。
- Viライクなキーバインド: Vimの操作感を踏襲しており、キーボード操作が快適。
- 軽量で高速: ターミナル上で動作し、低スペック環境でも快適に利用可能。
- プレビュー機能: 画像、PDF、テキスト、音楽ファイルなどをプレビュー可能(対応ツールが必要)。
- タブ機能: 複数のディレクトリをタブで開いて管理可能。
- ブックマーク機能: よく使うディレクトリを素早く開くことができる。
- 統合シェル: ranger内で直接シェルコマンドを実行可能。
- 拡張性が高い: Pythonで拡張スクリプトを記述できる。
rangerの基本的な操作
1. rangerの起動
- ターミナルを開いて、以下のコマンドを実行:
ranger
2. ファイルの移動
h
: 親ディレクトリへ移動l
: 子ディレクトリへ移動 / ファイルを開くj
: 下へ移動k
: 上へ移動
3. ファイルのコピー・移動
yy
: ファイルをコピーdd
: ファイルをカットpp
: 貼り付け
4. ファイルの削除
dD
: ファイルを削除
5. 隠しファイルの表示
zH
: 隠しファイルの表示/非表示を切り替え
6. タブ管理
Ctrl + n
: 新しいタブを開くCtrl + w
: タブを閉じるCtrl + Tab
: タブの切り替え
7. ブックマーク
m[a-z]
: ブックマークを設定(例:ma
)`[a-z]
: ブックマークへ移動(例:`a
)
8. ファイルのプレビュー
- 画像、PDF、動画、テキストファイルをプレビュー可能(外部ツールが必要)。
9. シェルコマンドの実行
!
を押した後にコマンドを入力(例:!ls
)。
rangerのインストール方法
Debian/Ubuntu系
$ sudo apt update
$ sudo apt install ranger
Fedora
$ sudo dnf install ranger
Arch Linux
$ sudo pacman -S ranger
Gentoo
sudo emerge --ask app-misc/ranger$
rangerのカスタマイズ
rangerは、設定ファイルをカスタマイズすることで機能を拡張できます。
1. 設定ファイルの生成
- デフォルト設定をユーザー用にコピーする:
ranger --copy-config=all
- 作成されるファイル:
~/.config/ranger/rc.conf # メイン設定ファイル ~/.config/ranger/rifle.conf # ファイルの関連付け設定 ~/.config/ranger/scope.sh # プレビュー機能の設定
2. キーバインドの変更
- rc.conf を編集し、キーバインドを変更可能。
3. 外部ツールを利用したプレビュー
- 画像、PDF、動画のプレビューを有効にするには
scope.sh
を編集。
4. 外部エディタの設定
- デフォルトのエディタを vim にするには、以下を
rc.conf
に追加:
set editor vim
rangerのメリット
- 軽量で高速: ターミナル上で動作し、リソース消費が少ない。
- Viライクな操作: Vimユーザーにとって直感的な操作が可能。
- 拡張性が高い: Pythonスクリプトで機能を拡張可能。
- SSH環境での利用が容易: リモートサーバー管理に最適。
rangerのデメリット
- GUIに慣れたユーザーには取っ付きにくい: キーボード操作が中心。
- 初期設定が必要: デフォルト設定ではプレビュー機能が制限される。
- ファイル転送機能が標準ではない: FTPやSFTPは別途ツールが必要。
まとめ
rangerは、LinuxやUnix系OSで利用できるCUIベースのファイルマネージャであり、Viライクな操作感を提供します。軽量かつ拡張性が高く、リモート環境や低スペックな環境でも快適に利用できるため、ターミナル操作に慣れたユーザーに最適です。