getfacl:ファイルのアクセス制御リスト(ACL)を表示するコマンド

getfacl

getfaclコマンドについての概要と詳細

getfaclコマンドとは

getfaclコマンドは、LinuxやUNIX系OSでファイルやディレクトリに設定されたACL(Access Control List:アクセス制御リスト)を確認するための標準ユーティリティです。ACLは従来のパーミッション(rwx権限)より細かく、特定ユーザーやグループごとに柔軟なアクセス権を設定できる仕組みです。getfaclはその内容を一覧表示し、システム運用・セキュリティ管理・権限トラブルの調査に活用されます。

主な用途

  • ファイル・ディレクトリのACL設定内容(ユーザー/グループ別の詳細なアクセス権)を確認
  • アクセス権のトラブル調査や権限継承状況の可視化
  • バックアップやシステム監査時のアクセス制御記録取得
  • setfaclで設定した内容の確認・検証

主な特徴

  • 細かいアクセス権の可視化:標準のrwxパーミッションだけでなく、ACLにより設定された全ての権限を表示
  • ディレクトリの再帰表示:-Rオプションでサブディレクトリも含めてACL一覧取得が可能
  • 出力をそのままバックアップ・移行用設定ファイルに利用可能
  • スクリプトや自動化でも活用可能:テキスト形式で簡単に解析・保存できる

基本的な使い方

getfacl [オプション] [ファイル名/ディレクトリ名]
  • getfacl file.txt:file.txtのACL内容を表示
  • getfacl /path/to/dir:ディレクトリのACL内容を表示
  • getfacl -R /path/to/dir:ディレクトリ配下すべてのファイル・ディレクトリのACLを再帰的に表示

主な出力項目の意味

項目説明
user::所有ユーザーのアクセス権
user:ユーザー名:個別ユーザーごとのアクセス権
group::所有グループのアクセス権
group:グループ名:個別グループごとのアクセス権
mask::最大許可マスク(ACL全体の制限)
other::その他のユーザー(全員)のアクセス権
default:ディレクトリに設定した場合、配下に継承されるデフォルトACL

主なオプション一覧

オプション説明
-R再帰的にすべてのサブディレクトリ・ファイルのACLを表示
--tabularタブ区切りで一覧表示(バージョンによる)
-aすべての拡張属性も表示
--versionバージョン情報表示

インストール方法

RPM系(RedHat, CentOS, Fedoraなど)
$ sudo dnf install acl 

Debian系(Debian, Ubuntuなど)
$ sudo apt install acl 

getfaclの活用ポイント

  • アクセス権トラブルの原因特定や、複雑な権限設定の棚卸しに
  • バックアップやシステム移行時のアクセス制御の保持・確認に
  • セキュリティ監査やファイルサーバ管理の自動化にも有効

まとめ

getfaclコマンドは、標準パーミッションを超えた柔軟なアクセス制御を可視化・管理できる強力なツールです。システム運用やセキュリティ管理、権限トラブル解決にぜひご活用ください。